ペアに飛ばしてもらうスタイルは4年前も「英莉花ちゃんと…」 西村優菜は考えることがいっぱい
<ダウ選手権 事前情報◇25日◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6287ヤード・パー70>
米ツアー3年目の西村優菜は、初めてダブルス戦に出場する。ペアを組む相手はマリア・ナム(米国)。西村のキャディのポール・ヘゼルデン氏に「だれか(ペアを)探している子いない?」と話していると、キャディ同士のネットワークを通じて、マリアの耳に入り、西村に声がかかった。
実は、昨年のメジャー「KPMG全米女子プロ」の予選ラウンドで同組でプレーしている。「2日間だったけれどけっこう話して、お互いに覚えていた。声を掛けてもらってうれしかった。彼女は飛距離の出る選手なので、いいチームになるんじゃないかなって話しています」。
マリアのドライビングディスタンスは265.06ヤードで、西村の234.09ヤードを大きく上回る。第1ラウンドと第3ラウンドは1つのボールを交互に打つオルタネート方式で行われ、マリアがティショットを打つホールは、いつもと異なる景色で2打目を打つことになりそう。「(グリーンに)ちか~っ。いいな~って思うかも(笑)。楽しみです」。精密機械タイプの西村も、自らの武器を生かしたい。
このスタイルは、4年前にも経験している。日本ツアー対抗戦『Hitachi 3Tours Championship』に出場。オルタネート方式で原英莉花、フォーボール方式で稲見萌寧と組んだ。「3ツアーズはとにかく楽しかったという思い出。交互に打つのが英莉花ちゃんとで、今回と似ている感じ(笑)。飛ばしてもらって、あとは(自分が)頑張って」。その時以来のダブルス戦に、胸を弾ませる。
西村に声を掛け、1つ年上のマリアが引っ張るのか…と思いきや、チームの決め事は西村が主導。生成AI考案のチーム名は『YunaNam Style』、そしてテーマ曲はシンガーソングライター・平井大が歌う『Aloha, E Komo Mai』。「お互いに何でもいいよっていうタイプ。ChatGPTに頼って、ハワイアンっぽい曲も聞いて…。日本の人が歌っているハワイの曲、っていう共通点があったので決めました」とたくさん考え抜いた。
頭のなかで考えているのはこれだけではない。奇数ホールと偶数ホールのどちらのティショットを担当するか、ボールは西村のキャロウェイとマリアのタイトリストのどちらを使うか…。「偶数ホールでバンカーやラフをキャリーしたいのがいくつかある。彼女はドライバーが飛ぶので、ボールの影響は彼女の方が大きいかなと」。マリアの飛距離を考えながら、いつもはやらない距離からショットを打つなど、「新鮮な感じ」で練習ラウンドも行っている。
「考えることが多くて(笑)」と忙しい開幕前だが、それも心地よい。現時点でポイントランキング135位の西村にとって、ビッグポイントを獲得したい気持ちも正直あるが、「上位で戦いたいというより楽しみたいかな」。お祭りムード漂う米唯一のダブルス戦。優菜スマイルがたくさん見られることを楽しみにしたい。(文・笠井あかり)
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