初優勝の入谷響は260Yに迫るパワーヒッターなのに、なぜやさしい軟鉄アイアンを使うのか? ZXi5とZXi7で悩んだ挙句……
「ニチレイレディス」で見事ツアー初優勝を飾った入谷響。平均飛距離2位を誇り、パーオン率4位を記録するパワーヒッターである彼女が、やさしい軟鉄アイアンを使用するのはなぜか? 本人に直撃してみた。
入谷は、5番~PWで『スリクソン ZXi5』を使用している。5~7番は軟鉄ボディに、クロムバナジウム鋼をフェースに採用(8番からPWはフェースも軟鉄)。シャープな顔だが、ある程度飛距離も出て、やさしさも備える人気モデルだ。パワーヒッターの入谷には、よりアスリートモデルの『スリクソン ZXi7』が合いそうだが、本人はどう感じているのだろうか?
「打感は『スリクソン ZXi7』の球がくっつく感じが好きなんですが、試打データを見ると『スリクソン ZXi5』よりも飛距離が落ちるんです。ロフトが寝ている(『ZXi7』は7番32度、『ZXi5』は7番31度)のもあると思います。ルーキーの年なので、慣れている『スリクソン ZXi5』を使い続けようと思いました。ヘッドの抜け感は『ZXi7』がいいですが……。『ZXi5』はフェースの弾き感があって、飛んでる感じがありますね」(入谷)
シャフトは『N.S.PRO モーダス3 ツアー105 S』を採用。元調子のやや軽めのモデルで、方向性が安定するシャフトだ。本人は「ずっとこれを使っているので、これが合っていると思います。試打データもいいので」とのこと。
これについてクラブフィッター吉川仁氏は「いわゆる『軽・硬』モデルで、ラインが出しやすいシャフトです。ただ、アマチュアは手打ちになりやすい場合も多く、使うには要注意ですね」と。
ドライバーは『スリクソン ZXi LS』(9度)に『テンセイプロ オレンジ 1K 60S』を採用している。「弾道が高いのが私のドライバーの特徴です」と語る彼女は、なぜこのモデルを使用しているのか?
「私はスピン量が多くて、多い時は4000回転を越えています。『ZXi LS』だと3000回転にスピン量が収まっています。ロースピンタイプのロフト9度でスピン量が収まった感じがあります。ヘッドもマットな感じが好きですね」(入谷)
シャフトの『テンセイプロ オレンジ 1K 60S』も比較的ハードなモデルだと思われる。「これは元調子ですが、手元が硬い感じがします。手元がしなると全体がしなってしまうので、これの方がいいですね。私の感覚としては先が少ししなる感じがします。ペラ球が嫌いなので、この方がつかまりがちょうどいい感じです」と入谷は語る。「通常のアマチュアだと球が上がりにくいハードなシャフト。手元がやや重いので、カウンターバランスでしなり戻りやすい特性があると思います」とクラブフィッター吉川氏は分析する。
自分で合うもの、合わないものを判断できる入谷のクラブ観は鋭いものがある。ルーキーである彼女が愛用するギアで、今季何勝まで築けるのか。目が離せない。
【入谷響きのクラブセッティング】
1W:スリクソン ZXi LS(9度、テンセイプロ オレンジ 1K 60S)
3・5W:スリクソン ZXi(15・18度、ディアマナWB 60S)
4U:スリクソン ZXi(22度、テンセイ1K HY 70S)
5I~PW:スリクソン ZXi5(N.S.PRO モーダス3 ツアー105 S)
48・52度:クリーブランド RTZ(N.S.PRO モーダス3 ツアー105 S)
58度:クリーブランド RTZ ツアーラック(N.S.PRO モーダス3 ツアー105 S)
PT:テーラーメイド TPデルモンテTB1(MCパター X-FIRM115)
BALL:スリクソン Z-STAR XV
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