ジャンボ尾崎はピッチャーのヒジの使い方でスピードを出し、アプローチで作った動きで長く押し込んでいた【プロコーチが解説】
スイング理論は進化したといわれているが、時代を彩ってきたレジェンドたちのスイングは、今見ても全く色褪せていない。むしろ、重くて難しいクラブを使いこなす技術には、ボールを正確に遠くに飛ばすための秘訣が詰まっていた! 今回は、他を圧倒する飛距離と精度を武器に、日本歴代1位のツアー通算94勝を積み上げたジャンボ尾崎のスイングをプロコーチの森守洋氏が解説する。
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ジャンボさんのスイングは、本人が話すように30ヤードくらいのアプローチを基本として作られています。インパクトゾーンを構築したスイングですね。
インパクトゾーン付近を見ると、ウィークグリップでローテーション量が少なく、ボールを長く押し込んでいます。インパクトがパンっと終わるのではなく、グーっと押し続けている感じです。豪快に見えますが、近代的なインパクトゾーンをしたスイング。あれだけの飛距離を出しながら、方向性も両立できた理由はここにあるのでしょう。
ジャンボさんのようなインパクトゾーンを作るなら、ヘッドで地面を擦りながら真っすぐ動かす練習がオススメです。ヘッドを右足の外に置き、両手で握ってハンドファーストの形を作る。そこからフェースの向きが変わらないように体の回転を使って、ヘッドを目標方向に真っすぐ動かしていきましょう。
また、ヒジの動かし方も特徴的です。インサイドバックからトップでクロスしていますが、ダウンスイングでヒジをかわす動きが入っています。ヒジをかわすというのは、野球のピッチングのように外に向いたヒジを一気に体の内側に向けることです。この動きが入ると、腕のトルクも使えるので、よりスピードを出せます。
一般的にシャフトクロスは悪い動きだといわれていますが、ジャンボさんのように意図的に戻せれば問題ありません。岡本綾子さんにも見られる動きなので、野球やソフトボール経験者は使いやすい動きかもしれません。
■尾崎将司
おざき・まさし/ 1947年生まれ、徳島県出身。徳島海南高校では、エースとして春の選抜高校野球大会(1964年)を制した甲子園優勝投手。翌年には、プロ野球の西鉄ライオンズに投手として入団した。しかし、実働3年で野球に見切りをつけ、プロゴルファーに転身。21歳でゴルフをはじめ、23歳でプロテストに合格。その後は、国内ツアー通算94勝、賞金王12回など、数々の偉業を残した。2010年に世界ゴルフ殿堂入り。
■森 守洋
もり・もりひろ/1977年生まれ、静岡県出身。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗らのコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、YouTubeチャンネル「森守洋のGolf TV」では、ツアープロや芸能人などへのレッスンを配信中。
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<ゴルフ情報ALBA Net>
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