「広い心で諦め大事」 渋野日向子は“暑さ”と闘い“風”とお友達に
<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前情報◇18日◇フィールズランチ・イースト(テキサス州)◇6604ヤード・パー72>
プロアマだった火曜日は風が吹きつけ、突風は14m/sオーバー。35度超の酷暑のなか体感温度を下げることには一助となるが、コースの難しさはぐんと跳ね上がる。渋野日向子は「やっとられん。風がないよりは体調的にはいいんじゃないですかね。ゴルフ的には死ぬけれど。風がないと激暑で18ホールを回ったら死ぬ。練習できないくらい疲れちゃう」とシブコ節。メジャー今季第3戦は暑さとの戦いにもなりそうだ。
「全米女子オープン」では優勝争いの末、7位に入った。悔し涙も見せた。そして想いはより強くなった。「余計に頑張らんとなと、すごく思っている。先週も予選落ちしているし。メジャーだから頑張るんじゃなくて、これから先、ポイントも稼いでいかないといけないし、上で戦いたい」。
7位に入った昨年大会は林間コースだったが、主催するPGA・オブ・アメリカのお膝元で行われる今年は木が全くない広大なコース。フェアウェイは広いところもあれば狭いところもあり、グリーンの大小も様々。距離にも変化があり、緩急に富んだコースだ。
「フェアウェイにアンジュレーションがあって、キックでバンカーやラフに入っちゃったりとかある。ティショットも難しく感じるけれど、スプーン(3W)や短いクラブを持つところもあるので、メリハリをつけて風と友達に」。攻略をこのようにイメージしている。
バミューダ芝のラフは長くはないが、ボールはすぽっと埋まり、脱出が精一杯になる場面も出てきそう。でもこの“諦め”こそが、メジャーにとっては最も大事なことのひとつでもある。「広い心で、諦め大事。というのを、メジャーだけじゃなくて、毎週のように(平場でも)そう思えるようになりたいのが目標です」と話す。
「4日間しっかり戦って、上で終えられるように。(全米の経験を)生かしたいけれど、コースも全然違うしすごく難しいんので、気を引き締めて頑張らないといけない」。
2021年大会の3日目に帯同キャディがコロナ陽性判定を受けて急きょ交代。22年は決勝進出を果たすも、3日目のスタート前に体調不良で途中棄権するなど、渋野にとって全米女子プロはさまざまなアクシデントと闘ってきた大会でもある。
その中でも昨年は、トップ10入りを果たし、最終日にはレクシー・トンプソン(米国)との同組プレーも実現。“いい思い出”が残る大会となった。今年はその記憶に、さらに良い1ページを加えたい。(文・笠井あかり)
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