黄金世代今季初Vへ 大ギス釣り上げた高橋彩華が狙う“獲物”「絶対に行きたい!」
<宮里藍 サントリーレディス 3日目◇14日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6558ヤード・パー72>
今季はまだ勝利のない黄金世代が、その存在感を猛アピールした。6位に小祝さくら、2位に河本結。そして、圧巻のプレーを披露したのが、4位から単独トップに浮上した高橋彩華だ。
最大瞬間風速12.8m/sの強風が吹く中、5バーディ・ボギーなしの「67」をマークした。「すごかった。嵐みたいだった」と振り返る悪条件を、「最悪の事態を避けながらやっていた」という安全運転のマネジメントで乗り切り、今季自己ベストの満点ゴルフで首位に立った。
風が最も強まった13番で4メートル、16番は3メートルのパーパットを沈めた。「今年はずっとパットが入らず、気持ちは『あ~あ』って感じだったので、あの2つは大きかった」。前週、地元・新潟で行われた「ヨネックスレディス」では予選落ちと悔しい思いをしたが、そのモヤモヤを一気に晴らしてホールアウト後はゴキゲンだった。
今季はここまで12試合すべてに出場し、トップ10入りは2回。メルセデス・ランキング(MR)は20位につけている。パーオン率は74.8%(2位)と高水準だが、パーオンホールの平均パット数は1.86回と70位にとどまり、スコアに結びついていなかった。課題だったパッティングがかみ合っての首位奪取となれば、満足度も高い。
予選落ちした前週は「腹が立ったというより情けなかった」と振り返る。その日曜日には家族で船釣りへ。「当たりの瞬間がたまらない」と以前から釣りを楽しんでいたが、その日は「今までで一番大きかった」という25センチはあるキスを釣り上げた。刺身などで大物を堪能し、気持ちよくやって来た神戸で大チャンスが巡ってきた。
今大会の優勝者および2位には7月31日開幕の「AIG女子オープン」(全英)の出場権が与えられるだけに、テンションはさらに高まる。「絶対に行きたい! 前に全英に出たときはうまく対応できなかった。今の実力でどのくらいできるのかを試したいし、単純に海外に行きたいです」と目を輝かせる。
初出場だった2022年は予選落ち。その年の4月に「フジサンケイレディス」で初優勝を果たし、リンクスコースの名門ミュアフィールドに勇んで乗り込んだが、まったく歯が立たなかった。リンクスにリベンジを果たすためにも、今週も日曜日に“優勝”という大物を釣り上げるつもりだ。(文・臼杵孝志)
【2018年以降の黄金世代シーズン初V】
2018年:10戦目「サイバーエージェントレディス」(新垣比菜)
2019年:4戦目「アクサレディス」(河本結)
2020-21年:4戦目「ゴルフ5レディス」(小祝さくら)
2022年:7戦目「KKT杯バンテリンレディス」(植竹希望)
2023年:2戦目「明治安田生命レディス」(吉本ひかる)
2024年:4戦目「アクサレディス」(臼井麗香)
2025年:?
※2020-21年は統合シーズン
★黄金世代のツアー優勝
2014年に当時高校1年生だった勝みなみから、昨年8月の「NEC軽井沢72」を制した河本結まで、トータル50勝を積み上げてきた。だが、今季は12試合を消化して優勝者はなし。黄金世代がツアーに本格参戦し始めた18年以降、シーズン初Vが最も遅かったのは、新垣比菜が制した18年「サイバーエージェントレディス」で10戦目。
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