売れない映画監督と、たゆたうように生きる謎の女性のロードムービー 足立紳監督「Good Luck」公開決定

足立紳監督の最新作「Good Luck」が、2025年12月より劇場公開されることが決まった。佐野弘樹、天野はなが主演する。
「Good Luck」は、大分県豊後大野の優しい風景を舞台に、人生迷走中の男女のあてどないアンブリン(ぶらぶら歩き)を描くロードムービー。30歳間際だが、一緒に暮らす女性に食べさせてもらっている自称・映画監督の大山太郎。大分県で行われる映画祭に入選を果たし、意気揚々と現地に向かうも、上映会で主催の女性から映画を厳しく批判されてしまう。フラフラと隣町の築後大野へ向かうと、そこで太郎の映画を観ていた砂原未希という不思議な女性と出会い、一泊二日だけの小さな旅をすることになる。正体不明ではあるがあけすけな性格の未希に、太郎は映画づくりに自信を持てない自分をさらけだし、ほのかな恋心も抱き始める。
監督・脚本は、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の脚本や、「雑魚どもよ、大志を抱け」「劇場版 それでも俺は、妻としたい」の監督を手掛けた足立紳。大分県のミニシアターである別府ブルーバード劇場でのみ見られる短編映画を制作しようと始まった企画だったが、舞台となる豊後大野の風景とキャストの魅力に足立監督が夢中となり、長編として完成した。主人公の売れない映画監督・太郎を演じるのは、「SUPER HAPPY FOREVER」などの佐野弘樹。太郎が旅先で出会う正体不明の女性・未希役を、「Chime」天野はなが務める。豊後大野をさまよう男女をユーモラスに演じている。ほかに、加藤沙希、篠田諒、剛力彩芽、板谷由夏らが顔をそろえる。
佐野弘樹、天野はな、足立紳監督らのコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】
■佐野弘樹(大山太郎 役)
別府短編映画祭の企画から始まった本作。いただいた脚本を読んだ時、98シーンもあることに驚き、本当に短編として撮りきれるのか半信半疑でした。ところが、完成した作品を観ると104分の長編に仕上がっていて…。足立さんは「これでも頑張って短くしたんだよ」と言っていて、最初から長編を作る気だったのかなと、思わず笑ってしまいました。
しかし、そんなことよりも、完成した映画が脚本以上の力を持った作品になっていたことに胸が熱くなりました。あらゆる意味で想像を超えてきたこの作品が、一人でも多くの方の目に届くことを願っています。どうぞよろしくお願いします。
■天野はな(砂原未希 役)
大好きな映画が出来ました!
足立監督をはじめ、スタッフ、キャスト、地元の皆様とまるで学生時代の映画サークルのようにはしゃぎながら、毎日クタクタになるまで撮影した日々が昨日のように思い出せます。
大分・豊後大野を舞台に、思わず力の抜ける、幸せで楽しい映画になったと思います。
是非劇場で観て頂けたら嬉しいです!
■足立紳(脚本・監督)
別府短編映画プロジェクトとして始まった企画でしたが、脚本を書いてみるとこれは中編くらいになってしまうかも……という不安感を少々抱きつつ、撮影しているうちにどんどん延びていってしまい104分という普通の尺の映画になってしまいました。それは豊後大野の豊かでどこか可笑しみのある風景と、その中をフラフラと歩き回る佐野弘樹さんと天野はなさんがとても魅力的で、いつまでもこの地を歩き回る二人を観ていていたいなあと思ってしまったからです。
ラッシュを見て、切らなくてもいいと言ってくださった別府短編プロジェクトの皆さまには感謝してもしきれません。ですが映画を観ていただければ、きっとお客様も僕と同じ気持ちになっていただけると思っております。
【作品情報】
Good Luck
2025年12月より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:オンリー・ハーツ
©︎2025「Good Luck」製作委員会(別府短編プロジェクト・TAMAKAN・theROOM)
記事提供元:映画スクエア
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