JR東日本がめざす地域共創、高速鉄道インフラが生鮮物流の一翼を! 新幹線&成田エキスプレスをリレーしての荷物輸送トライアルを実施
JR東日本は、新幹線や特急列車の旅客ネットワークを活用した高速物流サービス「はこビュン」の実証実験を進めています。
2025年6月12日には、上越新幹線と成田エクスプレスでの試行輸送が発表され、新潟県十日町市のつきたて「しんこ餅」を、同日戸塚駅で開催される「十日町のモノマルシェ」まで運ぶ実証実験が行われます。このサービスは、生鮮品や時間制約のある商品を、効率的に早く輸送すること目的としています。
「はこビュン」による輸送トライアル
●輸送日:2025 年6月12日(木)
●輸送列車:■上越新幹線 たにがわ408号(越後湯沢駅10:33発→東京駅12:00着) → ■成田エクスプレス18号(東京駅12:46発→戸塚駅13:25着)
●輸送商品:新潟県十日町市に所在する小島屋コジマヤ製菓店で手作りの「しんこ餅」 100包(1包10個入り)(※小島屋製菓店で販売の商品名は「志んこ餅」)
●販売箇所:戸塚駅橋上改札前 特設会場「十日町のものマルシェ」
「十日町のものマルシェ」 (戸塚駅橋上改札前)
6月12日(木) 12:00~21:00を予定
(開催時刻は、準備出来次第の目安です。小島屋製菓店の「志んこ餅」は13:45頃販売予定です。)
「十日町のものマルシェ」では、「はこビュン」で輸送する小島屋製菓店の「志んこ餅」のほか、ご当地の妻ツ有マリ ーククや十日町市のへぎそば、十日町市内で生産された農産物など、新潟県十日町市や津南町を中心とした地産品が販売されます。
旅客鉄道インフラで物流を
この取り組みは、既存インフラを活用した新たなビジネスモデルを構築し、地域経済を支援するものです。
旅客鉄道インフラを物流に活用する革新的な試みであり、特に生鮮品や時間に制約のある商品に適しています。従来の物流は道路輸送に大きく依存しており、交通渋滞、ドライバー不足、環境負荷といった課題を抱えていましたが、高速鉄道を利用する事で、特定の貨物にとってより迅速で環境に優しい代替手段となりえます。
地域産品を迅速に輸送することで、「はこビュン」は地元の生産者が都市部の大きな市場に素早くアクセスすることを可能にし、商品の鮮度と価値を高めることに成功しています。これは、地域経済を直接支援し、地域特産品の振興に貢献する取り組みといえます。
鉄道ネットワークを活用した列車荷物輸送サービス
JR東日本が「100億円規模に成長させたいビジネス」と位置付けていることから 、この取り組みに対する同社の関心の高さがうかがえます。
この取り組みにおいて、JR東日本は旅客サービスを超えて、物流市場、特に速度と鮮度が重要なニッチ分野に参入しようとしていることを示しており、地域農業や食品産業を支援する重要な役割を担うことで、地域活性化にも貢献する地域共創サービスの確立を目指しているといえるでしょう。
(画像:JR東日本)
鎌田啓吾(鉄道ニュースや、旅行や観光に役立つ情報をお届け!鉄道チャンネル)
記事提供元:鉄道チャンネル
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