河本結が“ロング全制覇” ヒントは申ジエの言葉にあり「勝負はセカンドショット」
<全米女子オープン 初日◇29日◇エリン・ヒルズGC(ウィスコンシン州)◇6829ヤード・パー72>
世界ランキング上位75人(3月24日付)の資格で出場している河本結が、7バーディ・4ボギーの「69」をマーク。日本ツアー組としては最上位の7位につけ、絶好のスタートを切った。
「全体的にすごく良かった。でも、打ってはいけないところに打ってボギーが出てしまったので、そこは反省」と初日を振り返る。納得の内容の中にも、冷静な自己分析が光った。
大会前、多くの日本勢が「難しい」と口をそろえていたコースだが、初日は意外にもスコアが伸びる展開に。首位は4アンダーで、河本もそこにしっかりついて行った。強風が吹き続けた練習ラウンドとは打って変わり、この日は穏やかなコンディション。「風がなくてラッキーでした。それに尽きる」と天候を味方につけた。
さらに、同組となったグレース・キム(オーストラリア)、ファン・ヨウミン(韓国)とのラウンドも心地が良かった。「2人ともすごく良いゴルフをしていたし、プレーもめっちゃ速かった。それが今までにない全米というか、組み合わせに恵まれたかな」。リズム良くプレーできたことも、好スコアの要因となった。
特筆すべきは、すべてのパー5でバーディを奪った点。これには、日本ツアー通算29勝を誇る申ジエ(韓国)の“ある言葉”が影響していた。
「『勝負をかけるのはセカンドショット』だって言ってたんですよ」
ジエが今年の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で勝利を収めた際に話した一言が、河本のゴルフ脳を刺激した。
同大会では、パー5で行われたプレーオフを制したジエ。勝負を決めたのはベタピンにつけた3打目に見えるが、河本いわく、勝因はその前の“逆算されたセカンドショット”にあったという。
“できるだけピンに寄せる”ではなく、“ピンに寄せやすい距離を残す”。その考え方を自身のプレーにも取り入れた結果、この日のパー5全制覇につながった。
さらに、「短いホール、長いホールがあるので、メリハリをつけて。ボギーは出ちゃうので、それを消せるくらいバーディを取っていく感じでプレーしています」と、難コース攻略に向けて、河本なりの方程式も出来上がりつつある。
メジャー独特の雰囲気も、厳しいセッティングも含めて「楽しんでいる」。2年連続3度目の全米女子オープン。河本結は今、そのステージに立てる喜びをかみしめながらプレーしている。(文・齊藤啓介)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。