キャリー256ヤード、ボール初速70m/sの衝撃 ツアーデビュー戦の16歳・後藤あいが名刺代わりの強弾を披露
<リゾートトラスト レディス 初日◇29日◇グランディ鳴門ゴルフクラブ36(徳島県)◇6585ヤード・パー72>
インパクトの衝撃音は明らかにほかの選手と一線を画していた。インターネット配信の「U-NEXT」も、その強弾をデータで示していた。全選手のティショットの映像が流れた18番。ツアーデビュー戦だった16歳のアマチュア・後藤あい(松蔭高2年)は弾道計測器でキャリー256ヤード、ボール初速は男子並みの70m/sという異次元の数字をたたき出した。
「まあ、キャリーはそのくらいは出るかなと…。最初は緊張はしたけど、スタートホールのティショットも真っすぐ行って、思う通りに打てました」
167センチ、62キロの恵まれた体から放たれるドライバーショットは強烈だ。3歳からゴルフを始め、「中学のころから周りの人より飛んでいた」と飛距離に関しては天賦の才がある。ツアー通算6勝の穴井詩を指導する石井雄二プロに小学5年から師事して腕を磨き、満を持してのデビューを迎えた。キャディは師匠が務め、穴井と一緒の練習ラウンドで調整。ツアー屈指の飛ばし屋の姉弟子は「あいちゃんはすごい。20ヤードは置いていかれました」と話していたが、謙遜にも聞こえた言葉も真実味を帯びてきた。
ドライビングディスタンスの計測ホールだった15番は265ヤードを飛ばし、1位の神谷そらとは10ヤード差の4位だった。同じく計測ホールの8番はミスヒットして221ヤード。「8番はミスって右の木の後ろに行ってしまいました。15番はいい当たりでした。このコースはめちゃくちゃ狭いけど、ショットは可もなく不可もなくという感じでした」。
初日は2バーディ・3ボギーの「73」で1オーバーの69位スタート。極度の花粉症で春先は苦しんだが、「もう大丈夫です」とアクセルを踏み込む準備は整ってきた。「しっかりフェアウェイに置いて、アイアンでチャンスにつけたい。楽しんでやれれば、結果はついてくると思います。できれば予選は通りたいけど、ショットもパットも1打1打に集中したい」。
憧れであり目標とするゴルファーはローリー・マキロイ(北アイルランド)。豪快なスイングはまさに世界を見据えている。「飛距離にこだわりはないけど、飛んだら飛んだだけ楽になるとは思う。でも、そこから自分は下手くそなんです。しっかりスコアをつくるゴルフがしたいと思います」。同学年で昨年の「日本女子オープン」でローアマに輝いた岩永杏奈(大阪桐蔭高2年)は3位スタート。「自分は自分」という16歳が自慢の飛距離で、まずは予選突破に挑戦する。(文・臼杵孝志)
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