仕事は見た目が9割? 高収入ほどハゲ、清潔感や肥満も年収に影響【仕事と容姿・体質の研究】
「見た目なんて気にするヤツはバカ」といいたいところだが、現実にさまざまな研究・統計で年収や仕事との相関関係が示されている
あらゆるメディアから日々、洪水のように流れてくる経済関連ニュース。その背景にはどんな狙い、どんな事情があるのか? 『週刊プレイボーイ』で連載中の「経済ニュースのバックヤード」では、調達・購買コンサルタントの坂口孝則氏が解説。得意のデータ収集・分析をもとに経済の今を解き明かす。今回は「仕事と容姿」について。
* * *
ボーナス支給の6月が近い。きっと「なんでアイツが俺よりも評価が高いんだ」と思う時期だろう。仕事の実力以外で決まる側面も大きい。
容姿や体質はどうしようもないのに、その対策市場は巨大化している。意味はあるのか。研究や統計で示されたいくつかの事実を紹介したい。
薄毛:「ハゲ推し」なる女性に出会ったことがある。十人十色。面白かったのは「同窓会に行くと昔より推しが増えている」と嬉(うれ)しそうだった点。この女性は笑っていたが、男性本人の悩みは深刻。国内の薄毛対策市場は1000億円を超える。
ただ安心してほしい。薄毛が年収減につながるという明確な統計はない。むしろ高年収のひとほど薄毛という報告もある。これは因果が逆で、高収入の仕事はストレス過多であるためだ。どちらかといえば薄毛で自信をなくさないよう気をつけよう。
声の低さ:私は比較的声が高い。「テレビ的には高いほうが聴きやすい」といわれたが、これは特殊な世界の話。各種の調査や研究では、圧倒的に低い声が良いとされる。
真面目な研究者もいるもので、有名企業CEOの声を分析し、高さが22.1ヘルツ低下するごとに年収が3000万円ほど上昇するとの分析もあった。さらに業界によっては在任期間も長いとか。単なる偶然だろ、といいたくもなるが、たしかに権威を感じることはあるかもしれない。
身長:RCサクセションの名曲に『大きな春子ちゃん』がある。背の高さなんか関係ないといいながらも、やはり気にしている男性の悲哀を歌っている。
低身長の私からすると不本意ながら、身長の高さと年収の相関を示す研究は非常に多い。企業のCEOの大半は高身長なんだってさ。シークレットシューズにも経済的理由があったのだね。また私はヘビーメタルを愛聴しているが、海外のフェスに出演するとどうしても身体的なデカさで威圧する欧米人が優位だと聞いた。
身だしなみ・清潔感:同じような容姿でも身だしなみが良い人は年収が高くなると各種報告は語っている。とくに不衛生は、社内での出世や、求職時の採用に悪影響が及ぶとわかっている。
まあ、そうよね。「昇進させて恥ずかしくない人物」を選ぶはず。また歯並びや歯の白さも就職に好影響とわかっている。体毛も剃(そ)ったほうが良いようだ。
体臭:数値化できないので、定量的に「どれくらい臭うと、年収が何万円下がる」と研究で断言するのは難しい。しかし体臭は同僚がもっとも改善してほしい対象であり、他者の生産性をも落とす可能性が指摘されている。
取引先もけっしてプラスの印象はもたない。スメハラともいわれる。可能なのであれば、自分のために改善・対策には努めたい。
肥満:年収と決定的に強く相関するのは肥満だ。研究では「低収入だから安価な炭水化物の食事しか取れない」とするものと、「肥満だから雇用者から否定的に見られ、労働市場で高収入の仕事を獲得できない」とするものがある。
両方事実なのかも。肥満対策・体重管理の市場規模は日本だけでも5000億円を超える。
最後に:以上はあくまで統計で、個別の事情は考慮していない。改善できるところは改善して頑張ろう。身長が160㎝で世界一の企業を創った本田宗一郎もいるのだから。
記事提供元:週プレNEWS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。