「頑張ってほしいし、頑張りたい」 ツアー未勝利の伊藤有志が別々の舞台で“夫婦一丸”の挑戦
<日本プロゴルフ選手権 初日◇22日◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コース(岐阜県)◇7337ヤード・パー72>
現在の出場資格はQT49位。限られた試合の中で第1回リランキング突破を狙う30歳・伊藤有志が、今季初のレギュラーツアーをメジャー大会で迎えている。午前に比べて風が強くなった午後組のひとりとしてスタートを迎えたが、1イーグル・4バーディ・2ボギーの「68」をマークし、4アンダー・9位タイで2日目に進んだ。
この日のハイライトは前半18番パー5(602ヤード)のショットイン・イーグル。フェアウェイからの2打目を「3番ウッドで打ちたかったけど、ギリギリ(グリーン)左のバンカーに入りそうだったので」と5番ウッドで刻み、70ヤードの3打目を残した。
ピン位置が段上だったことや、グリーンの硬さからバウンドが大きくなるぶん、スピンがほどけやすいこともあり「正直マネジメントはミスしたな」と若干の後悔はあったが、「いいところに落ちて、スピンがうまく入ってくれた」と2バウンドし、カップインした。
入った瞬間を見ることはできなかったが、グリーン周辺にいたギャラリーの反応で入ったことを確認。うれしさもあったが、前半ということもあり、平常心を保ち後半に突入したという。18番を振り返ると「まさか入るとは思わなかった。これが最終日だったら最高だな…と思います」と苦笑い。しかし、このイーグルも含めて初日の滑り出しは「十分です」と評した。
日本プロ会場がある岐阜の隣県・愛知県で、国内女子ツアーの「ブリヂストンレディス」(中京ゴルフ倶楽部 石野コース)が行われている。そこには妻の女子プロゴルファー・大西葵が出場中。同じ週に試合で戦っていることは「いいですよね。頑張ってほしいし、頑張りたいし」とモチベーションが上がる要因になっている。
会場間は車で1時間30分ほどの距離があるが、「今週一緒のホテルなんです。せっかくだから一緒に泊まろうって」と宿泊先は同じ。「帰ったら、きょうのことをすごく話すと思います」と直接、報告し合うことができる。「(目標は)何位以内…なんて考えていますけど、最高の結果は同じ週にふたりで優勝すること」と笑みもこぼれる。2人は2021年1月に結婚し、同年には第一子となる長男も誕生した。夫婦で力を合わせ、愛する息子のためにも戦っていく。
リランキングはレギュラーツアーで得た賞金額のみが対象。下部ツアーが主戦場の伊藤は、予選通過で初の同ランキングへの加算となる。「(今年のレギュラーツアー)初戦でメジャーなので、いいところにいったら、前半戦のリランキングも大事になってくる。来週もゴルフができるようしたい」。第1回リランキングが行われる9月の「フジサンケイクラシック」まで、少しでも出場試合数を増やすためにも、今週トップ10に入り、来週の“職場”を確保することも目標だ。
いい滑り出しとはいえ、まだ3日間残っている。「バーディも取れたし、サードが入ってイーグルとかラッキーもあった。初日は良い感じでゴルフができましたけど、きょう(初日)はきょうで終わり。また残り3日もあるので、(きょうのことは)忘れます」。妻は94位発進。夫婦で支え合い、お互いにいい週末を迎えたい。(文・高木彩音)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。