プレーオフラウンド進出を懸けた一発勝負は熱戦必至。富山、山口、磐田は“下剋上”の再現なるか【JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦プレビュー】
3月に開幕したJリーグYBCルヴァンカップも1stラウンドの3回戦を迎える。21日には全国各地でプレーオフラウンド進出を懸けた3回戦の7カードが開催される。

昨シーズンのファイナリストであるアルビレックス新潟は、同じくJ1の東京ヴェルディをホームに迎えてのゲーム。1回戦ではJ3のヴァンラーレ八戸相手に延長戦を含んだ120分でも決着がつかない大苦戦を強いられたが、何とかPK戦で振り切ると、2回戦ではJ3の松本山雅にきっちりと勝利。大卒ルーキーの笠井佳祐と大卒2年目の奥村仁がゴールを決めた。
今シーズンから就任した樹森大介監督の下、リーグ戦ではここまでわずか2勝で19位に沈む苦しい戦いを強いられているが、その流れを変える意味でもホームでの今シーズン公式戦初勝利を手にして次のラウンドに駒を進めたいところだ。
ただ、なかなかリーグ戦で波に乗り切れない東京Vとしても、このカップ戦を契機にしたい気持ちは同じだろう。こちらも1回戦ではJ3のAC長野パルセイロ相手にPK戦の末に辛くも勝ち上がると、2回戦ではJ2のブラウブリッツ秋田に延長戦までもつれ込みながら勝利した。城福浩監督体制でJ1に挑む2年目のシーズンはカップタイトルを目標に掲げており、ここで敗れるわけにはいかない。
今シーズンは明治安田J1第5節で対戦しており、そこでは2-2と決着がかなかった。舞台は前回と同じデンカビッグスワンスタジアム。今度は一発勝負の決着戦。オレンジと緑、果たしてどちらが笑うだろうか。
ニッパツ三ツ沢球技場で開催される横浜FC対FC町田ゼルビア、レモンガススタジアム平塚で行われる湘南ベルマーレ対FC東京、サンガスタジアム by KYOCERAでの京都サンガ対セレッソ大阪の3カードもJ1勢同士の対決となる。ミッドウィークのナイトゲームとはなるが、どの試合も“関東対決”や“関西対決”となるだけに、一発勝負ならではの盛り上がりと激戦は必至である。
そのほか、残りの3カードはJ2対J1の構図となる。
11年ぶりにJ2を戦うカターレ富山は、1回戦で同カテゴリーのジェフユナイテッド千葉との撃ち合いを制すると、2回戦ではJ1の名古屋グランパスを破った。0-0のまま90分を終え、延長戦では先制に成功するも、すぐに追い付かれる展開でPK戦に突入。それでも最後は粘りを見せ、前回王者を見事撃破した。J3で戦っていた昨シーズンからルヴァンカップで強さを発揮しており、その力は今シーズンも健在。3回戦でもアビスパ福岡を下し、まずは昨シーズン同様にプレーオフラウンド進出を果たしたい。
志垣良監督を迎えて2シーズン目となるレノファ山口FCも健闘を見せている。1回戦でJ2の大分トリニータを下すと、2回戦ではホームで鹿島アントラーズを撃破。当時は鹿島が現在ほど好調でなかったとはいえ、格上のチームに対して互角以上の勝負を繰り広げた。終盤に追い付かれ、90分間での勝利こそ逃したが、延長戦を耐え抜き、PK戦ではGK田口潤人の活躍などもあり勝利。堂々のアップセットを起こした。3回戦で対峙するのは現在J1で2位につける柏レイソル。今回もしぶとく戦い、維新劇場を“再現”したい。
昨シーズン、J1での苦闘を経て戦いの舞台をJ2に移したジュビロ磐田にとって、ルヴァンカップはJ1クラブと渡り合う貴重な場となる。1回戦ではJ3のFC大阪に勝利し、2回戦では清水エスパルスとの“静岡ダービー”を制して得たガンバ大阪への挑戦権。タイトなスケジュールでのゲームとはなるが、1・2回戦同様に若き力が躍動すれば、好ゲームが期待できる。ホームのヤマハスタジアムでサックスブルーのプライドを示したい。
ここを勝ち上がった7クラブに加えて、AFCチャンピオンズリーグ2に参加していたサンフレッチェ広島を含めた8クラブでプレーオフラウンドが開催される。次の舞台に駒を進めるのは、果たしてどの7チームになるだろうか。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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