自分を信じてくれる人たちの支えを力に…迎えた“ターニングポイント” 「この先、何が起こっても戻ってこられる」【谷田侑里香“最高峰への道”】
高校1年間と大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場とするプロゴルファーだ。昨シーズンは下部ポイントランキング52位でシードを獲得した。目指すは、長年夢見てきたLPGAツアー参戦。その姿を追う。
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みなさん、こんにちは! 私は今、4連戦最後の試合(15~17日、コッパーロック選手権)が行われるユタ州にいます。このコースは去年も回ったのですが、とにかく景色が雄大! 他のコースでは見ることができないような光景が、目の前に広がっています。
さて先週のアリゾナの試合では、日本から応援に来てくださった方にキャディもやっていただき、感謝の一週間になりました。去年も2回引き受けてくださり、これが3回目。ラウンド中にはゴルフとは関係のない話でリラックスさせてもらったりもしたのですが、技術面の話もたくさんすることができました。3回目ということで私のクセも把握してくれていて、クラブ選択などの面でも意見がピッタリ。私も思ったことは何でも共有でき、一緒に考えながらプレーでき、とても心強かったです。
そしてこの試合は、私にとって“ターニングポイント”と言える試合になりました。ここまで、ずっと悩んできて、(2週前の)ラスベガスの試合の後は、正直、気持ちが折れかけていました。ただ、それが大きく変わったのがアリゾナでした。プレー面でいえば、課題だったパターに手応えがあったという点もありましたが、それよりも内面の変化が大きかったです。これまでも『考え過ぎないように』ということは意識していた部分ですが、そのことがしっかりと腑に落ちたという実感があります。
なかなか言葉で表現するのは難しいのですが、ゴルフに対する考え方であったり、これまで知識としてあったものが、しっかりと自分のこととして理解できたという感覚でしょうか。ラスベガスの試合後は、『(翌週の)アリゾナに、どういう気持ちで臨めばいいのだろうか』とも考えていました。でも、そんなモヤモヤも一気に晴れました。
この4連戦は、最初のカリフォルニアの試合に両親がかけつけてくれたり、ラスベガスでも現地在住のご夫婦の自宅でお世話になり、ご主人はキャディも引き受けてくれました。人の温かさを感じたのはアリゾナも同じ。普段、観客が少ない中でプレーしていますが、応援してくださる方々がいかに心強い存在なのか、そんなことを痛感する毎日です。
日本でも、家族、そしてコーチ、トレーナーが、私を信じて、一緒に前を向いて“これから”の話をし続けてくれます。もちろん結果が出るにこしたことはないですが、私の結果に関係なく真剣に向き合ってくれる人たち、精神的に支えてくれる人たちに囲まれていること、そして私を応援してくれる人たちと過ごせたこの数週間が、とても大きかったのだと思います。
今、私はとても前向きに、次の試合を楽しみに待つことができています。アリゾナでつかんだことが、『この先、何が起こっても戻ってこられる』という考えにもつながっています。大きなカベを乗り越えた感覚があり、怖さも感じていません。
今週のコースはアップダウンも激しく、周りをさえぎるものもないため、強い風が吹き抜けます。練習日は、ボールが動いてパターのストロークもできないほど。20ヤードマイナスで番手を計算することもあり、そんな風との付き合い方は注意が必要です。ただ“吹っ切れた”ことで、結果に左右されずに、プレーを楽しむことができそうです。しっかりと戦ってきます! ぜひ応援をよろしくお願いいたします。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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