ドジャース・大谷翔平「6本塁打・8打点」の怪【プロ野球・MLB「春の異変」①】
本塁打数や得点数はリーグトップクラスだが、異様なほど打点数が伸び悩んでいるドジャース・大谷
開幕から1ヵ月。日米の野球界で巻き起こったさまざまな"波乱"を徹底解説する!【プロ野球・MLB「春の異変」①】
■1番起用は適当なのか?今季開幕時、お股ニキ氏が「打率3割、50本塁打は期待できる」と予想した大谷翔平の打撃。実際、打率は3割前後を推移し、順調に6本塁打を記録。今季もしっかりと本塁打王争いを繰り広げている。
その一方でなかなか伸びないのが打点だ。6本塁打に対し、打点はわずかに8。つまり、本塁打以外で打点が稼げていないのだ。
同じ6本塁打の鈴木誠也(カブス)はすでに15打点を記録しており、打点リーグ1位の選手とは16もの差があるだけに、大谷の打点の少なさは際立っている。昨季、自身初の打点王に輝いた男に何が起こっているのか?
「ドジャースの打順の問題は大きいです。5番を打つトミー・エドマンがチーム最多の7本塁打、15打点を記録。6番のウィル・スミスは打率3割4分と活躍する一方で、大谷の前を打つ7~9番打者はそろって打率1割台。大谷の前に走者がたまりにくい状況が続いています」
ただ、仮に走者がたまっても、大谷がチャンスで打てていないのも事実だ。得点圏打率は.143(7打数1安打)。今季初タイムリーは大谷史上最も遅い「開幕20試合、89打席目」という珍現象も生んだ。
「昨季も一時期、得点圏打率の低さが注目を集めました。シーズン終盤やWBC決勝など、大一番では異常なほどの集中力を発揮する一方、根本的にはそこまで勝負強い打者ではないのかもしれません。自分の数字や成績、プレーを伸ばすことに特化する結果として、チームに貢献するタイプの選手と言えそうです」
打点は少ないものの、大谷はリーグトップを争う21得点を記録している。
「得点が多いのは1番打者として機能している証拠。ただ、この打順はチームにとっても、大谷にとっても、唯一無二の正解というわけでもないのかもしれません」
昨季序盤は2番起用がメインだったが、ムーキー・ベッツの離脱により、定位置が1番に変わった経緯がある。
「今のドジャースはいい打者から順に並べています。ただ、MLBでは昔から『3番最強論』や最近は『2番最強論』が根強くあるように『一番いい打者だから1番』という単純な話ではありません。
良い打者に打席を多く与え、走者がたまった状態で勝負させる"流線型"を求めることが大事です。果たして、大谷の1番起用は適当なのかどうか。私が監督なら、シーズン序盤のうちに1番から3番までそれぞれ試し、最もフィットする組み合わせを探ります」
*成績は日本時間4月22日時点
文/オグマナオト 写真/時事通信社
記事提供元:週プレNEWS
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