“引退発表”のレクシー・トンプソン、メジャーV争いへ 畑岡奈紗が語る変わらぬ姿「めっちゃガッデムしている」
<シェブロン選手権 3日目◇26日◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6911ヤード・パー72>
2014年大会覇者のレクシー・トンプソン(米国)が、優勝を狙える位置につけている。10位から出た3日目に6バーディ・3ボギーの「69」で回り、首位タイの西郷真央らと3打差の6位に立った。
レクシーにとって、今大会には“因縁”がある。ツアー通算11勝のうち、唯一メジャー優勝が2014年大会。17年大会では、グリーン上のマークから異なる地点でプレーしたことを視聴者から指摘され、4罰打を科されて優勝争いから脱落した。
天国と地獄を味わったこの大会。もし逆転勝利となれば、ツアー史上2番目のメジャーブランク優勝(11年11日)となる。
ところで、こう疑問に思った人もいるかもしれない。『レクシーって引退したんじゃなかったっけ?』。
昨年5月、レクシーは2024シーズン限りで第一線を退くことを電撃発表した。最終戦では“レクシー、さよなら”とファンによるセレモニーも行われた。今年1月には婚約も発表。だが、今季はここまで3試合に出場し、2月の「ファウンダーズカップ」では13位に入った。今年の「全米女子オープン」、「KPMG全米女子プロ」にも参戦する予定で、“レクシー健在”をアピールしている。
「多くの人に話しているように、家にいるときも、練習やトレーニングをたくさんしている。ただ、必要な時に休む余裕ができただけ。試合に出る度に勝ちたいと思うし、競争心もある。でも、生活バランスが取れているのはいいことだし、ハードワークが何らかの形で報われるのは良いこと」
確かに“引退”は明言しておらず、『フルタイムでの参戦をやめて、プレー頻度を減らす』と説明していた。それでも、今季は序盤から積極的に出場し、メジャーでも存在感を示している。ファンにとってはうれしいことだが、“?”が頭に浮かぶ人も少なくないようだ。
先週の「JMイーグルLA選手権」予選ラウンドでは、畑岡奈紗がレクシーと同組で回った。「フルで出るような感じではないと聞いていたけれど、かなり出ているなという印象はありますね(笑)。フィットネス系のことにも携わっていて、飛距離も全然衰えていない。ミスをしたらめっちゃ“ガッデム”(怒って)してる。悔しさは変わらないみたい」。畑岡もレクシーの変わらぬ情熱を感じていた。
「ティショットを打つたびに、いいプレーがしたいというアドレナリンが出て、緊張もする。努力が報われることを見せたいという気持ちもある」と語るレクシー。プレーヤーとしての“魂”は消えていない。
さらに、「プレーできる機会が減ることは承知で発表した。だからこそ、ここでいいプレーができたら最高だし、できなかったら次に進むだけ」。
レクシー自身にとって、“完全引退”までのカウントダウンはすでに始まっている。今大会は、最大にして最後となる優勝のチャンスかもしれない。(文・笠井あかり)
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