21世紀最初、平成最後の国際博「愛・地球博」のアイテム【山下メロの平成レトロ遺産:071】
レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
ついに大阪・関西万博が開幕いたしました。というわけで今回は平成の2005年に開催され、今年20周年の「愛・地球博」を振り返ります。
開催地である愛知県に引っかけた愛称の愛・地球博。正式名称は「2005年日本国際博覧会」で21世紀初の国際博覧会でした。国際博としては沖縄海洋博、科学のつくば万博、前回紹介した平成の大阪花博などがありましたが、専門テーマでない国際博としては70年の大阪万博以来です。
万博のマスコットキャラクターは、アランジアロンゾが手がけた森に住む妖精のモリゾーとキッコロ。マスコットを見ると総合博というより花博のような園芸博の雰囲気ですが、万博のテーマは「自然の叡智」で、地球や環境といった象徴としての森の精だったのでしょう。略してモリコロと呼ばれ人気となり、キャラクターグッズが多数作られ絵本まで出版されました。
缶バッジ
ファスナーマスコット
モリコロのキーホルダー
グッズを見ていくと、これまでの万博で多かったキーホルダーがありつつも、新しく携帯ストラップなどが登場しガラケーが普及した時代を感じさせます。
これまでの平面が中心だった時代から、立体の樹脂製人形付きストラップが主流になり、モリコロの立体マスコットが多く販売されました。立体の「ご当地キティ」が流行していたことから名古屋のご当地キャラクターストラップ風のものが作られたり、また地元の球団である中日ドラゴンズとのコラボ商品が作られたりと、愛知県の地域と時代の流行とを組み合わせた商品展開だったのです。
名古屋バージョンのご当地マスコットストラップ風
樹脂製のキーホルダー
地元の中日ドラゴンズとコラボした携帯クリーナー
さらに万博公認グッズに貼られるライセンス証紙シールもアップデートされていました。一見すると、これまでと変わらない白地の証紙シールなのですが、角度を変えるとホログラムが浮かび上がる仕様になっており、これまでの国際博より不正ができないようになっています。
これ以前は万博に便乗した非公式商品がたくさんあったのですが、愛・地球博では確認できておりません。
ホログラム仕様のライセンス証紙
撮影/山下メロ
記事提供元:週プレNEWS
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