日本人初の米賞金女王! 岡本綾子のスイングは“止まらない”から飛んで曲がらなかった【プロコーチが解説】
スイング理論は進化したといわれているが、時代を彩ってきたレジェンドたちのスイングは、今見ても全く色褪せていない。むしろ、重くて難しいクラブを使いこなす技術には、ボールを正確に遠くに飛ばすための秘訣が詰まっていた! 今回は、男子プロに匹敵する飛距離を武器に世界で活躍した岡本綾子のスイングを、プロコーチの森守洋氏が解説。一体なぜ飛ばしと方向性の両立ができたのか?
◇
岡本さんのスイングの特徴は、始動からフィニッシュまで一切のブレーキがかかることなく、流れるようにクラブが動く点だと思います。おそらくクラブをずっと引っ張り続けているイメージなのでしょう。100万回振ってもオンプレーンになるスイングだと思いますね。
すごいのはダウンスイングで浮く動きがないことです。トップで右ワキが開いていますが、ダウンスイングで一気にお腹の前にヒジが入っています。アマチュアであれば右ワキが開くとアウトサイド・イン軌道が強くなってしまい、体も浮きがちですが、岡本さんの場合右ワキを一気に締めるので、オンプレーンに戻せています。だから体が浮かないんです。
また、人間は先端を合わせようとすると、クラブヘッドを先行させてリリースしてしまうもの。しかし、クラブを引っ張り続けて、鞭をしならせるようなイメージのスイングなので、自然と少しヘッドが遅れてタメができています。ヒザの送り方もカッコイイですよね。左足に体重移動しながら、右ヒザを送ることでさらにヘッドを加速できる。飛距離が出るのも納得です。
岡本さんのようにタメを作りたいなら、ダウンスイングでのグリップエンドの向きを意識してください。切り返しからダウンスイングにかけて、グリップエンドを地面に向けるように下ろすとタメを作れますよ。
■岡本綾子
おかもと・あやこ/1951年生まれ、広島県出身。国内ツアー通算44勝、米ツアー17勝。日本では永久シード、87年には米国女子ツアー賞金女王に輝くなど世界で活躍した。
■森 守洋
もり・もりひろ/1977年生まれ、静岡県出身。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗らのコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、YouTubeチャンネル「森守洋のGolf TV」では、ツアープロや芸能人などへのレッスンを配信中。
◇
●今こそジャンボ尾崎のスイングが参考になる! 関連記事「ジャンボ尾崎は40年前から時代を先取り! 小さなメタルウッドで300Y飛ばす秘密とは?【ジャンボ軍団が解説】」で解説しています。
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。