スコッティ・キャメロン担当者が気づいた「トーマスの“今の”手の位置」の重要性
米国スコッティ・キャメロンが、ツアーレポートを更新。先週2022年以来の16勝目を挙げた、ジャスティン・トーマスのパッティングについて「どんな経緯で良くなったか」の一端を明かした。スコッティ・キャメロンのフィッティング&開発担当ディレクターのポール・ヴィザンコ氏が、トーマスのアドレスに違和感を抱いたのは、2月初旬の頃だったという。
「WMフェニックス・オープンに出場した時、彼は2つのパター、プラミングネックのマレットと、ローベンドの0.5インチモデルを持っていました。その【2つのパターの間で、彼が手の位置をどう置くかうまく調整できていない】ことに気づきました。フェニックスの月曜、火曜、水曜と彼を見て、それからトーナメント中の彼もテレビで観ていて、アドレスがしっくりきていないのが分かりました。当時、彼のパッティングコーチと一緒に、どんな変更を加えようとしているのか知ろうとしました。その会話の中で『彼の手の位置が、2つのパター(手の高さに合わせて設計されたパター)の中間にあるように見えるよ』と私は言いました。
我々はシャフト軸を測定できますので、私はオリジナルのエースパターと、彼がある程度成功を収めていた別のデザインのパターの測定値を割り出し、その中間の数値を算出しました。そして、それを実現する唯一の方法は、全く新しいパターを作るしかなかったんです。そこで、ショートベンドを採用して少し曲げてスパッドを調整し、2つのパターのちょうど中間に着地するようにしました。選手にフィッティングするにはパッティングストローク、練習方法、コーチの指示、そして彼らが何を感じたいのか、快適にするために【どこに手を置く必要があるのか】を理解する必要があります」(ヴィザンコ氏)
先週のトーマスは、このベンドネックの『ファントム5』でフィールド全体より「5.512」も優れたSG:パッティング(3位)を記録。今季のこのスタッツは「0.459」(24位)になっており、昨年が「-0.478」(178位)、一昨年も「-0.161」(135位)といかに今季良くなったかが分かる。
以前スコッティ・キャメロンのパッティング専門コーチ・丸山颯太氏も「手の位置の重要性」を語っていたが、トーマスにも【いま快適な手の位置】に合うパターが必要だったということか。PGAツアー担当のドリュー・ペイジ氏も「彼は手元の位置がより快適になってストロークの出だしが安定するようになっただけでなく、アドレス時のスクエア感も気に入っていて、それが構えの正確さの向上にも繋がっている」と話している。
本日、アクシネットジャパンインクは坂詰和久コーチとの契約を発表したが、先月は目澤秀憲コーチ、そして既に丸山颯太(スコッティ・キャメロンパッティングコーチ)、永井直樹(ボーケイウェッジコーチ)と、高い専門性を持つコーチ陣をチームに招き、選手のサポート・パフォーマンスアップ体制をより強化している。この辺りが契約の有無に関係なく、選手から信頼されるポイントなのかもしれない。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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