“フルラウンド”でつかんだ2勝目 安田祐香が感じた初優勝との違い「今回は勝ち取った」
<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 最終日◇13日◇石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇6585ヤード・パー72>
悪天候の中、粘り強いプレーで71をマークした安田祐香が、9アンダーで並んだ3人によるプレーオフを4ホール目で制し、通算2勝目となる今季初優勝を飾った。ティーショットを左に曲げた9番パー4など、中盤はピンチの連続だったが、3~4メートルのパットを何度も沈めてパーをセーブ。プレーオフではバンカーからのスーパーショットで決着をつけた。
18番パー4の繰り返しで行われたプレーオフは、1ホール目でルーキーの中村心が脱落。優勝争いは安田と河本結に絞られた。迎えた4ホール目、第1打はともに左のバンカーに打ち込んだ。先に打った河本がグリーンをショートしたのに対し、安田は「バンカーからは一度打っていたので、見た目より短いことやバンカーの状態は分かっていました。ずっと2打目が右に行っていたので、リベンジのつもりで打ちました」。強い雨と寒さで厳しいコンディションのなか、5UTで放った一打は見事にグリーンをとらえてピン奥3メートル。このバーディーパットは決められなかったものの、しっかりパーをセーブし、長い戦いを勝利で終わらせた。
プロ入り以来、オフの調整は地元・兵庫を中心に国内で行ってきたが、今年はタイで合宿を行った。「グリーン周りを主に練習していたんですけど、フェアウェイバンカーからの練習もしたので、その場面が来ていいショットが打てたので、成果が出たのかなと思います」。昨年初優勝を挙げ、今季は前半戦のうちに優勝することを目標に掲げてきたが、開幕から5試合目で早くもこれをクリアした。
ラウンド中は、パーカーフェースであまり感情を表に出すイメージはない。「(パーをセーブした)16番のバンカーショットは打ちすぎたと思って、『ヤバい』って顔をしてたんで、みんなが見てないのかなと思います(笑)」。それでも気持ちを一定に保つことは意識しており、「怒るのは無駄だと思うので、ミスしたら練習しようと考えるようにしています」。これは高校生のころから世代のトッププレーヤーとしてツアーに数多く出場してきた経験のなかで、身に付いた考え方だという。
昨年の初優勝は悪天候で27ホールの短縮競技。今回も初日は雷雲接近によるサスペンデッド、最終日は強い雨と、天候には恵まれなかったが、正規の54ホールとプレーオフが過不足なく実施された。「前回が1.5ラウンドだったので、戦い抜いて勝ちたいと思っていました。初優勝はフワフワしていたけど、今回は勝ち取ったという感じがあります」。ツアー2勝目で、さらなる自信も手にしたようだ。
ジュニア時代のライバルだった古江彩佳、西村優菜、吉田優利は米女子ツアーを主戦場としているが、「今は日本ツアーを盛り上げられるように頑張りたいなと思っています」。将来のことはともかく、まずは国内で力をつけ、しっかり実績を積み重ねるつもり。次はシーズン2勝目へ、さらに調子を上げていく。(文・田中宏治)
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