「人が死ぬとどうして悲しいんですか?」と問う少女 子どもと大人の間で揺れるひと夏 「ルノワール」予告
2025年6月20日より劇場公開される、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門への出品が決定した、早川千絵監督の最新作「ルノワール」の、予告編が公開された。
予告編は、11歳のフキが「みなしごになってみたい」というタイトルの作文を提出し、母親(石田ひかり)が担任教師に呼び出されるシーンから始まる。自由な発想で時たま大人を驚かせるフキだが、闘病中の父親(リリー・フランキー)をいつも気にかけ、放課後は父親の病室へ通う。そんな日々の中で、フキがそれぞれに事情を抱えた大人たちと向き合う姿が描き出されていく。
同じマンションに住む久理子(河合優実)が、哀しみにくれた表情でベランダから下を見下ろしている事に気付くフキ。久理子は誰にも話せずにいた秘密をフキに打ち明け始める。またある時は、母が知り合った男性・御前崎(中島歩)や、大学生・薫(坂東龍汰)と出会い、フキの日常が変化していく。「人が死ぬと泣く、どうして悲しいんですか?」と大人に問いかけるフキの声。子どもと大人の間で揺れる、ひと夏が繊細に描かれている。
「ルノワール」は、日本がバブル経済の真っただ中だった1980年代後半の夏を舞台にした、闘病中の父と仕事に追われる母と暮らす、11歳の少女・フキの物語。マイペースで想像力が豊かなフキは、空想にふけりながら、それぞれに事情を抱えた大人たちと触れ合う。子供に特有の感情を細やかに描写するとともに、フキが関わる大人たちの人生のままならなさや人間関係の哀感を、温かなまなざしとユーモアで描き出す。
主人公のフキを演じるのは鈴木唯。役柄と同じ11歳だった彼女は、多数の候補者の中からオーディションで主演に選ばれた。真っすぐに大人を見つめる視線、この年齢ならではの自然な躍動感、時折見せるさびしげな表情など、みずみずしい演技を見せている。フキの母・詩子役に石田ひかり、父・圭司役にリリー・フランキー、フキが出会う大人たちに中島歩、河合優実、坂東龍汰らが顔をそろえている。

【作品情報】
ルノワール
2025年6月20日(金) 新宿ピカデリー他全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『RENOIR』製作委員会/Ici et Là Productions/ARTE France Cinema/Akanga Film Asia/ Nathan Studios/KawanKawan Media/Daluyong Studios
記事提供元:映画スクエア
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