悲願グランドスラムへ ローリー・マキロイ、マスターズ挑戦の軌跡
<マスターズ 事前情報◇9日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>
海外メジャー今季初戦「マスターズ」が、現地時間10日から開催される。今季“第5のメジャー”とも称される「ザ・プレーヤーズ選手権」を制したローリー・マキロイ(北アイルランド)は、悲願のキャリアグランドスラム(四大メジャー制覇)達成に挑む。今回はマキロイのマスターズ挑戦の歴史を紐解き、印象的な年をピックアップしてお届けする。
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■2009年:挑戦の始まり
2009年、欧州ツアーで飛ばし屋として名を馳せていたマキロイが、満を持して初出場。圧倒的な飛距離を生かしたパワーゴルフで、目の肥えたパトロン(ギャラリー)を魅了した。
初出場ながら、20位と健闘。将来の飛躍を期待させるには十分な活躍だった。
■2011年:悪夢のサンデーバックナイン
2位に4打差をつけて最終日に突入したマキロイ。バックナインに悪夢が待ち受けていた。
前半は1オーバーで切り抜けて、首位の座を守った。ところが、10番パー4。ティショットを左に大きく曲げると、2打目はフェアウェイに出すだけ。3打目も左に曲がり、グリーンを捉えられなかった。アプローチが木に当たる不運も重なり、5オン2パットのトリプルボギーを喫してしまう。
11番ではボギー、12番ではダブルボギーを叩くなど、悪い流れは止まらなかった。後半で7オーバーの大失速となり、最終日は「80」。トータル4アンダー・15位タイでグリーン・ジャケット獲得のチャンスを逃した。
しかし、その2カ月後に行われた「全米オープン」では初日から首位を守り切り、2位に8打差をつける圧勝劇を披露。22歳の若さでメジャー初優勝を飾った。
■2015年:好調マキロイを阻んだ21歳 スピースの前に涙
前年の14年までに、全米オープン、全英オープン、「全米プロ」のメジャー3冠を達成。キャリアグランドスラムまで残すはマスターズのみ。
だが、21歳の新鋭ジョーダン・スピースが神がかったプレーを披露。マキロイも奮闘したが、スピースが記録したトータル18アンダーには6打及ばず、4位で快挙達成はまたしてもお預けとなった。
■2022年:最終日に圧巻「64」マスターズ自己ベスト2位
初日、2日目はともに1オーバーを記録し、23位タイで予選を通過。今年も優勝は難しいかに思われたが、最終日に8アンダー「64」を叩き出し、トータル7アンダーで大会自己ベストの2位に入った。
優勝はスコッティ・シェフラー(米国)。同年の2月から3勝を挙げた勢いそのままに、トータル10アンダーで初のグリーン・ジャケットを手にした。
■2024年:10年ぶりのメジャー制覇へ
最後のメジャー優勝から10年目。マキロイはスケジュールを調整し、例年以上に試合数を増やしてマスターズに照準を合わせてきた。「万全の状態で臨みたい」と準備を重ね、オーガスタへ乗り込んだ。
しかし、2日目の「77」が響き、予選は通過したものの、トータル4オーバー・22位タイに終わった。
さらに「全米オープン」では終盤に短いパットを2度外し、ブライソン・デシャンボー(米国)に優勝を譲る結果に。この悔しさもあってか、その後マキロイは約1カ月の休養に入った。
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そして迎えた2025年。マキロイはスイングやギアに調整を加え、さらなる進化を遂げた。今季は欧州ツアーも含めて6試合に出場し、トップ5入りが4回。そのうち2勝を挙げ、仕上がりは上々だ。
悲願のキャリアグランドスラム達成へ。マキロイが再びオーガスタに立つ。
<ゴルフ情報ALBA Net>
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