世界最高のレアビデオ・コレクション 映画たちを救う荒唐無稽な奪還作戦 「キムズビデオ」公開決定

アメリカ・ニューヨークに実在したシネフィルの聖地キムズビデオの、5万5000本ものビデオ・コレクションの行方をめぐるドキュメンタリー映画「キムズビデオ」が、2025年夏に劇場公開されることが決まった。
ニューヨークの映画ファンたちが通い詰めたレンタルビデオショップ「キムズビデオ」。そこは、5万5000本もの貴重でマニアックな映画の宝庫だった。配信サービスの隆盛で閉店に追い込まれた2008年、謎めいた社長キム・ヨンマンは、大量のコレクションをイタリアのシチリア島にあるサレーミという村に譲渡することを決意する。4000マイルの旅を無事に終えた伝説のコレクションだったが、数年後に「キムズビデオ」の元会員であるデイヴィッド・レッドモンがシチリアを訪れると、ずさんな管理体制の中、ホコリだらけの湿った所蔵庫でひっそりと息を潜めていた。
助けを求める映画たちの“声”にかき立てられ、映画たちを救う荒唐無稽な奪還作戦が始動。その奪還作戦は、カーニバルの夜に映画の撮影だと偽り、アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の巨匠たちの“精霊”を召喚し、所蔵庫から映画たちを解放する前代未聞の計画だった。
監督を務めるのは、アシュレイ・セイビンとデイヴィッド・レッドモン。「私たちは、2024年秋に日本に滞在し、この映画を配給するスタッフとミーティングを行いました。そのチームは、オフィスにドルビーアトモス試写室を作った情熱的なグラフィックデザイナー、一見物静かだが実はアグレッシブな宣伝マン、風変わりな小作品が大好きな配給会社スタッフで構成されていました。私たちはすぐに、世界中の映画のキュレーションという共通の情熱を分かち合えました。この配給チームとミーティングした瞬間から、彼らがフィジカルなメディアを愛し、そして同様に愛する観客をこの映画に結びつけてくれると直感しました。私たちは、日本に映画のゴーストが息づいているのを感じ、ワクワクしています!We can't wait for the upcoming on theater!(公開が待ち遠しいです!)」とコメントを寄せている。
【作品情報】
キムズビデオ
2025年夏、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開
提供:ミュート、ラビットハウス
共同配給:ラビットハウス、ミュート
©Carnivalesque Films 2023
記事提供元:映画スクエア
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