上半身と下半身の“時間差”で飛ばす! 吉田優利の『下半身リード』は左の踏み込みからマネしよう【優勝者のスイング】
2日目に「64」をマークし2位との差を8打に広げて迎えた「Vポイント×SMBCレディス」の最終日。吉田優利は「71」で回り、2位に9打差を付け2年ぶりとなるツアー通算4勝目を挙げた。吉田のスイングを「下半身でクラブを引っ張り下ろす、下半身リードのお手本」と高く評価するのはプロコーチの南秀樹だ。
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「もともとオンプレーンに振っていますが、今季はトップがコンパクトに、スイングプレーンも若干フラットになり、よりオンプレーンになった印象を受けます。下半身でクラブを引っ張り下ろし、シャフトをしならせるタイプ。上半身と下半身を分離させるのがとても上手く、ダウンスイングでは頭を動かさずに下半身を踏み込んでいて、しっかりと時間差ができているので、首がスッと長く見えます。ドライバーからウェッジまで同じリズムで振っているのも、飛んで曲がらない秘訣だと思います」。
下半身でクラブを引っ張り下ろすという『下半身リード』の動きはスイングでは大事なテーマだ。そのための練習方法としてステップして打つのが定番だが、練習してもなかなか動きをマスターできないなら、その前にやるべきことがある。「ステップして腰の回転を優先すると、踏ん張る力が足りずにボールに力を伝えきれなくなってしまいます。まずは左足体重で体の正面でインパクトすることを覚えてください。右足はツマ先立ちにして、左足体重を作ってスイングするんです」。左に乗ったまま体の正面で打てれば、インパクトがぶ厚くなり、クラブもダウンで寝にくくなる。
左に乗ったインパクトを覚えたら、次にステップ打ちに進みもう。「上半身と下半身、体とクラブとの時間差を意識してください。バックスイングは、右足を踏み込んでからクラブを上げて、ダウンスイングでは、左足を踏み込んでからクラブを下ろす。足を踏み込んでからクラブが動くことにフォーカスするんです。バックスイングで時間差ができなければ、ダウンスイングでも時間差はできません」。手先でクラブを上げてしまう人は、グリップにタオルを巻いて、手の感覚を鈍らせると時間差が作りやすくなる。
『下半身リード』で、上半身やクラブを遅らせることができれば、クラブはオンプレーンに下りてくる。左足体重を作り体の正面でインパクトを迎えれば、ボールに力を伝えやすく、スクエアに捉えられる。ボールがつかまりやすく、ナチュラルドローで効率良く飛ばせるだろう。
■吉田優利
よしだ・ゆうり/ 2000年生まれ、千葉県出身。国内ツアー通算4勝。23年にサロンパスカップでメジャー初優勝を達成。昨季から主戦場を米国女子ツアーに移し、2年目に挑む。エプソン所属。
■南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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