【配信者刺殺事件】被害者の“婚約者”が実名で顛末を告白 「黒幕」との批判も
ふわっち配信者の「最上あい」こと佐藤愛里さんが刺殺された事件で、佐藤さんの婚約者を名乗る男性が事件の顛末を自ら語り、大きな話題となっています。
最上さんの婚約者を名乗る男性が事件の顛末を説明
男性は16日夜、自身のXで「私は1992年4月22日生まれ 油井大顕(ゆいだいけん)と申します。 株式会社ORNIS(オルニス)代表取締役です」と投稿。高野健一容疑者と最上さんの出会いから事件に至るまでの顛末を年表形式で説明しました。主な内容は以下の通り。
年表
2021年12月、最上さんと高野容疑者が配信サイトを通じて知り合う。2022年9月~12月、高野容疑者から最上さんに約250万円の金銭の授受が発生。12月から高野容疑者は最上さんの働く飲食店に通い始め、交際を何度も迫るようになった。
2023年1月、高野容疑者の嫌がらせにより最上さんが配信活動を休止。同年7月、油井と最上さんが「音声通話アプリ」で知り合い、交際をスタート。翌月には同棲を始め、結婚を約束する。この頃から油井は最上さんに数十万円ずつ金を貸し始める。油井は、高野容疑者との親密なやり取りを発見し、金銭トラブルも発覚するが、最上さんは「リスナーとの金銭トラブルなだけ、 返しているのに」と説明し、LINEを削除した。
2023年11月、最上さんから借金の返済がなく、資産がないことが判明。これを受けて油井は12月にタワマンの退去手続きを開始した。
2024年1月、油井は消費者金融から200万円を借り入れ。最上さんは、精神病を患っているため配信の稼ぎで返済すると約束したものの、嫌がらせにより配信ができないと訴える。
同月、高野容疑者と3人で話し合いをする。油井は裁判が起こされていたこと、欠席裁判で高野容疑者の主張が全面的に通ったことをここで初めて知る。油井は、SNSに最上さんの名前を書き込んだり配信活動を妨害しない誓約書を高野容疑者に求める。
2024年2月、油井は、最上さんへの報酬を「固定費・食費・私の建て替えている消費者金融の最低月額返還分」を引いた額と決める。同月、東京郊外のマンションに引っ越し。
2024年3月、誓約書上の「違約金条項」で高野容疑者と対立。違約金条項とは、高野容疑者が誓約に反した場合に300万円を支払うというもの。高野容疑者は、「違約させて借金を帳消しにするつもり」と不満を訴えたもよう。油井は、その後も高野容疑者からの妨害行為が止まなかったとしている。
2025年1月、最上さんの財産開示手続きが開始。2025年3月、事件が発生。
最上あい(佐藤愛里)と高野容疑者の時系列 pic.twitter.com/Y2aYm28dhI
— ゆい(最上あいの婚約者) (@mogami1024yui) March 16, 2025
最上さんの“婚約者”が配信で顛末を語る
油井は、長文のメモを公開した後、ふわっちで配信も実施します。しかしこの配信は30分ほどでBANされてしまいました。
その後、油井は配信者の「養分@伊藤」のツイキャスに移動して説明を継続。さらにその後、「コレコレ」(登録者数231万人)のツイキャスにも出演しました。

次ページ:配信で明かされた内容は
以下、これらの配信で説明された内容をまとめます。
最上さんに貸した金について
事件の報道では、高野容疑者が約250万円を最上さんに貸していたものの、返済がされていなかったこと。裁判で、最上さんに支払い命令が出ていたことが明らかにされています。
油井は、自身も最上さんに約500万円を貸しており、うち約300万円が未返済だと説明しています。
その内訳は、70万円がボイスボードゲーム「WePlay」の投げ銭代。WePlayは、油井と最上さんが出会ったアプリです。借金の残りは、油井の住んでいたタワマンの家賃ということでした。
油井は2022年6月、家賃約45万円のタワマンを会社名義で契約。しかし資金繰りが悪化して支払いが危なくなったところ、最上さんからの申し出で、2023年9月以降は彼女が全額を負担することになったそうです。油井が最上さんと同棲を始めたのが2023年7月。同棲して3カ月ほどのときのことになります。油井は当時、彼女が裕福だと思っていたそうです。
しかし実際には最上さんには支払い能力はなく、借金は返済されず。油井は2023年12月にタワマンの退去手続きを始め、翌月には消費者金融から200万円を借り入れます。同月には、高野容疑者との金銭トラブルをめぐる話し合いもおこなっています。
油井が最上さんに貸した金の大半は自宅の家賃であり、家賃負担を申し出た最上さんが、実際には支払わなかったため、全額を借金扱いとしたようです。
ピンハネ&天引き
2024年1月、高野容疑者と最上さん、油井の3人が話し合いをおこない、油井はここで初めて250万円の借金があること、裁判で判決が出ていることを知ったとしています。
その翌月、油井は最上さんの報酬についての取り決めをおこなっています。内容は以下のとおりです。
まず、最上さんは油井の会社の所属タレントであることから、ふわっちで得た報酬の50%が会社の取り分として引かれます。さらにそこから、食費6万円、家賃6万円、油井が借りた消費者金融への最低返済分6万円、携帯代など2万円の合計20万円を引き、残りを最上さんに渡していたそうです。
2024年6月には、ふわっちの収益が49万9760円あったとのこと。上の計算方法だと、佐藤さんの手取りは4万9880円となります。また、最上さんは、ふわっちで月100万円以上の売上をキープしているランクの配信者になっていたらしく、油井からは、100万円以上収益があったときの手取りが29万円だったという発言もありました。
また、油井は最上さんに現金で報酬を渡していたとのこと。最上さんが申告しなければ所得がゼロになるため、視聴者からは、脱税や資産隠しの意図を疑う声も上がっていました。
養分@伊藤は、油井を「黒幕」だとし「中抜きし続けた」と厳しく批判。「婚約者だったら彼女が借金をしてるって知ってて、さらにそんな財産を減らすようなことしないよ」と指摘しました。
コレコレは、最上さんの収入を引く際に1万円でも高野容疑者への返済に充てていればよかったのではないかと投げかけます。これに油井は「そこが僕の悪いとこで、僕も悪だと思います」と同意。
高野さんに怒りは感じるけど、ぶつけられない理由の1つ(中略)
だけど怒りは感じてしまう。愛里も悪いし高野さんも悪いし僕も悪いし、よくわかんない気持ちになってる感じ
と心境を明かしていました。
3人で行われた話し合いの録音も公開
コレコレの配信では、2024年1月に行われた高野容疑者と最上さん、油井の3人での約40分間の話し合いの音声も公開されました。
その中で、最上さん側は、秘密保持契約ないし誓約書で、高野容疑者がSNSに最上さんに関することを書き込んだり、配信を妨害しないことを求めていました。最上さんは、配信を妨害されると「お金が用意できない」というスタンス。油井は、高野容疑者に提出させる誓約書に、違反した場合は違約金300万円を支払うという項目を入れることを提案します。
これに対し、1年以上返済がないと話す高野容疑者は、最上さん側から返済の意思や計画の言及がないためか、「こっち秘密守るだけでそっち的には何もないって感じなんですか?」「逃げようと思えば逃げれるかなみたいな」と、不信感を見せていました。
高野容疑者が弁護士に相談する意向を伝えると、油井は、弁護士を介せば決着するのが遅ければ夏頃になると説明。配信を早めに再開するために、個人間での解決を望んでいる様子を見せました。
そんな中で、高野容疑者は、すでに裁判で判決が出ていることを伝えます。油井と最上さんは、裁判が開かれたことも知らなかった様子。一旦高野容疑者との通話を保留にすると、油井は「どうする?裁判で判決してるんだったらもう払うしかないか、それか“飛ぶ”か」などと発言。最上さんに「飛び続けたら? じゃあ」と話す場面もありました。
結局2024年2月に誓約書の提出があったようですが、違約金の項目は取り消し線で消されていました。その後も借金の返済はされず、高野容疑者の妨害行為も止むことがなかったようです。
通話内で「飛ぶ」などと発言したほか、返済に言及もしなかった油井に対し、コレコレは支払いの意思がなかったのではないかと質問。油井は、この当時は高野容疑者を「悪手なストーカーだと思ってた」とし、裁判についても「嵌められてると思ってました」と釈明しました。
次ページ:フォロワー1000万人の人気TikTokerと交際していた
景井ひなとの交際
油井は、経緯を説明する際、人気TikTokerの景井ひなと交際していたことを明かしました。景井ひなはフォロワー1000万人の人気TikTokerで、2021年にホリプロに所属。今年のNHK大河ドラマ『べらぼう』に出演するなど、SNS外でも活躍中です。
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油井によると、景井と交際を始めたのは2018年。そして2019年に共同でTikTokを始めたのだとか。油井は、自身が撮影・投稿・企画を担当し、景井は演者だったと主張しています。2022年6月に、2人はタワマンで同棲を始めますが、2022年8月(※)に破局。景井はマンションを出て行ったそうです。(※2021年との情報もありますが、時系列的に2022年ではないかと思われます)
ショックを受けた油井は適応障害になり、9月には精神病院に入院することに。退院後も何もやる気が起きない中、「WePlay」で最上あいさんと出会うことになります。
一方、景井とは飼い犬の所有をめぐって裁判沙汰になったという油井。さらに、景井は2022年7月から3年間、事務所に所属する契約を結んでいたらしく、油井は競業避止義務違反として損害賠償請求の裁判を起こすことになったとのだとか。裁判で相手側からは、油井に仕事の実態がないことが追求されたようで、油井はそのために会社の売上を作る必要があったとのこと。そのため、最上さんのふわっちの収入を自身の会社に入れていたといい、それには最上さんも同意していたとしています。また、油井は証人尋問の際、景井以外にもマネジメントをしていた人物として、最上あいさんの名前を出したと説明しています。
最上あいさんには、WePlay上でプロポーズしたという油井。婚約者である証拠として、婚約指輪を見せました。ただし、この指輪は「BED J.W. FORD (ベッドフォード)」というブランドのシルバーリングで、価格は1万5000円程度と婚約指輪としてはかなり安価なもの。
また、景井ひなもこの指輪と同じものを着けた写真をSNSに投稿していたため、「使い回しではないか」との疑惑も上がりました。油井は同じ指輪を買っただけで、使い回しではないと否定しています。
ちなみに、ユーチュラ編集部で油井が経営する株式会社ORNIS(オルニス)の登記簿を取得したところ、会社設立は油井の説明通り2023年10月となっていました。
また、これも説明通りですが、取締役欄には景井の本名が記載されていました。景井との交際は終わっているはず。ビジネス上の関係があるのか、この辺りの事情は油井から詳しい説明がないため不明です。また、油井は現在東京郊外に住んでいると説明していましたが、登記情報を変更していないのか、住まいは港区内のタワマンになっていました。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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