米1勝の34歳が米欧45勝の“スーパースター”と一騎打ちへ 「誰も僕が勝つことは期待していないだろう」
<ザ・プレーヤーズ選手権 4日目◇16日◇TPCソーグラス ザ・プレイヤーズ・スタジアムC(フロリダ州)◇7352ヤード・パー72>
3月13~16日で開催された「ザ・プレーヤーズ選手権」の最終日。単独首位に立っていたJ.J.スポーン(米国)は最終18番を迎えたときに、この日4打差からスタートしたローリー・マキロイ(北アイルランド)と首位に並んでいた。
スポーンがバーディを奪えば優勝が決まる。しかし、9メートルのバーディパットがわずかにカップに届かずパー。トータル12アンダーで並んだマキロイとプレーオフが決定したが、日没の時間を迎えたため、翌日17日午前9時(日本時間18日)に再開。TPCソーグラス ザ・プレイヤーズ・スタジアムCの名ホールとされる16~18番の3ホールでのストロークプレーで争われる
逃げ切りVまでわずか数センチ足りなかったスポーンは「3ホール戦うことは知らなかった」と話す。最終日は雷雨による4時間の中断があり、再開後の一時はマキロイに3打のリードを許した。しかし「11番のボギーでむしろ自分に火がついた。何が起こるか分からない。失うものは何もない」とマキロイをとらえることだけを考えていた。
現在世界ランキング2位のマキロイ(35歳)は、PGAツアーとDPワールド(欧州)ツアーで通算45勝(米27勝、欧18勝)誇るゴルフ界のスーパースター。メジャーは4勝を挙げており、残すのは「マスターズ」の制覇だけ。今回のザ・プレーヤーズ選手権も2022年に制している。
一方のスポーン(34歳)は22年のバレロテキサス選手権のPGAツアー1勝。現在世界ランキングは57位、カリフォルニア州のサンディエゴ州立大出身で、12年のプロ転向後はPGAツアー・カナダを戦い15年は同ツアーの賞金王に輝いた。その後はPGAツアーで戦ったが18年には糖尿病と診断を受け21年には世界ランキング500位以下まで降順。「自分を信じることができなくなった」と振り返っている。
今季はマキロイがシグネチャー・イベントの「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」で勝利を挙げている。スポーンは1月の「ソニー・オープン・イン・ハワイ」で3位、3月はコグニザントクラシックinパームビーチ」で2位と好調なシーズンを送っている。
それでも「誰も僕が勝つことは期待していないだろう。だけど僕は自分に期待をしている。このツアーで勝つことは本当に大変なこと。何度も挑戦して、何度も敗れなければならない。もしかしたら明日は運が味方するかもしれない」とスポーンは表情を引き締めた。
一方、マキロイにとっても「3ホールのプレーオフは初めて。JJに比べると少し僕のほうが経験があるかもしれない」と余裕を見せながらも「でも明日はしっかりと5回、良いスイングをすることを考えたい」と大会2勝目を目指す。(文・武川玲子=米国在住)
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