新人戦Vのドローヒッター・荒木優奈 つかまり球の秘訣は“帽子のツバの向き”?【注目ルーキーのスイング診断】
2025年の国内女子ツアールーキーのスイングをツアープロコーチの石井忍が解説。今回は荒木優奈のスイングを深掘りしていく。
アマチュア時代からレギュラーツアーに出場し、何度かローアマを獲得し活躍していた荒木は、昨年のプロテストに4位タイで合格。同年の12月に行われた「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」に出場しプロ初優勝を挙げている。今季初戦となった「ダイキンオーキッドレディス」では7位タイで終え、デビュー戦からトップ10入りを果たした。
石井がそんな荒木のスイングに「自分の体の特長を理解している。つかまり球がでやすい動きをしています」と話す。アドレスからトップに上げる際、目線はボールのままだが、顔がやや右側(テイクバックを上げる方向)を向く。
「トップで右に向いているのは首周りなどが硬いからだと思いますが、(頭の向きを)止めすぎないで回転ができています」と首や肩周りの硬さがありながらも、手で上げずに体の動きで上げるための動作だと分析。さらに「テイクバックで手元と体が同調している」ことも“体で上げる”につながっている。
そしてダウンスイングでは、「帽子のツバの向きが右つま先を向きながら、胸の開きを抑えてインパクトを捉えています。ドローヒッターの特長です」と解説した。トップから下半身の動きで切り返すが、顔の向きはインパクトまで固定されていることで上半身の起き上がりがなく、安定した“つかまり球”を放つスイングだ。
身長が156センチメートルと小柄な体格でドライバーの平均飛距離は240ヤード。さらに開幕前のオフシーズンは筋トレを重ねて飛距離アップに取り組み「10ヤードぐらい伸びました」(荒木)と伸びている。迫力のあるドローボールに注目したい。
■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。
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