「めっちゃいい! 球がホップします」 木村彩子に苦手を克服させた“超心強い”新クラブの正体は?
<ダイキンオーキッドレディス 3日目◇8日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6610ヤード・パー72>
ツアー通算1勝の29歳・木村彩子が、スタート5ホールで4バーディという序盤のバーディラッシュで、グングンとリーダーボードを駆け上がっていく。「若い選手がたくさんいるから焦ります。ベテランになっていくので、頑張れる時に頑張りたい」。こんな思いも胸に、自らを奮い立たせている。
3番からの3連続バーディは、10メートル、1メートル、そして50センチのパットを沈めて奪ったもの。「極端というか、長いのが入ったり、OK(バーディ)があったり。パターがよかったですね」。琉球のコーライグリーンについては、「私は目をあまり気にせずやってる。転がりも、フィーリングもいいし、ロングパットのタッチが合ってます」と苦にしてはいない。初日からのパット数『27』、『25』、『24』を見ると納得だ。
気づけば2日目の14位から、首位と2打差のトータル3アンダー・3位タイまで浮上した。ただ、この結果には「もともとあまり得意なコースではないのでビックリです」と、本人も目を丸くする。それは「ホールロケーション的にティショットが打ちづらいところがある」というのが理由。だが、そのなか新たに投入した“武器”に確かな手ごたえをつかんでいる。
そのひとつがドライバー。クラブ契約を結ぶキャロウェイの新作『エリート ◆◆◆(トリプルダイヤモンド)MAX』を“開幕メンバー”に選んだ。オフの間に調整しきれず、当初は昨年まで使用していた『パラダイム Aiスモーク◆◆◆MAX』を携えてきた。しかし、メーカー担当者の努力で、ジェルを使い木村ごのみの音に合わせるなど、理想の1本が実現。今週の練習ラウンド2日目に使用してみると、好感触だったこともあり投入することを決めた。
「契約選手のなかで替えてなかったのが私だけだった。絶対にいいもののはずだし、替えたかったんです。(初日の)雨のなかでもよかったし、きょうもすごく良かったです。横風に影響されにくいのに、球も上がって飛ぶ。初速がかなり速くなりました」。初日は荒天、2日目は強風のコースでも、フェアウェイキープ率は76.1%(32/42)とまとまっている。「すごいいい方向に進んでます」。今後に向けても自信を深める開幕戦になりそうだ。
そして、それ以上に「めっちゃいいです!」と絶賛するのが、やはりエリートシリーズに新調した3番ウッドだ。「もともとスプーン(3番W)が苦手で、去年のTOTO(ジャパンクラシック)では、抜いたくらいなんです」。こんな悩みを抱えていたが、ソール部分を少し削ったこの新作を握ると、印象がガラリと変わったという。「もらってすぐに入れることを決めました」と、即決の1本だった。
その特性を聞くと「やさしいのに、球が強くてホップします。(スプーンが)苦手な人におススメです」と話し、“相棒”に視線を向ける。この日も、グリーン面が見えないほど打ち上げになっていく7番パー5の2打目にこのクラブを使い、210ヤードを記録したことでキャディとともに驚いたという。もちろん、ここできっちりとバーディを奪い、6番で叩いたボギーを帳消しにした。
そんな自信のあるクラブたちとともに目指すのは、2022年6月の「アース・モンダミンカップ」以来となる優勝だ。「早く(通算)2勝目を挙げたい。優勝とメジャー優勝を目指してオフは頑張りました」。首位に19歳の菅楓華、2位には22歳の岩井千怜と若手が上位に名を連ねる大会で、29歳が意地を見せる。(文・間宮輝憲)
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