「シュウマイの日」を作った理由とその効果【みんなが知らない、シュウマイの実力】
2月26日は日本シュウマイ協会が制定した「シュウマイの日」
2月26日は「シュウマイの日」だと知っていましたか?
今から3年前、この記念日を作った日本シュウマイ協会の代表理事でもあるシュウマイ潤が、「シュウマイの日」を作った理由と、3年を経て分かったその効果を分析します。
* * *
ほぼ毎日シュウマイを食べ続け、日本シュウマイ協会を作るに至ったシュウマイ潤氏
2月26日は「シュウマイの日」――。このことを知る人は、まだ残念ながら一部のシュウマイに関わる業界の人しか知らないと思います。
そもそも、私がシュウマイを本格的に食べ歩き始めた2015年頃、「シュウマイの日」という記念日自体、存在していませんでした。
餃子やラーメンなど、シュウマイに近い距離の料理には複数の記念日が存在していましたが、なぜかシュウマイにはなかった。私は、それもシュウマイがマイナーである要因だと感じていました。
記念日があると、その日の前後にテレビや新聞で取り上げられたり、雑誌などでは特集企画が組まれたりします。
私もメディアの仕事をしていますから、ニュースや特集企画のネタを日々探していて、毎年訪れる記念日は、そのネタとして社会的に説得力があり、しかもその業界での一定読者も見えやすい。言い換えれば、シュウマイには記念日がないため、ネタとして取り上げられにくい側面があると言えます。
「シュウマイの日」を制定し管理する、一般社団法人日本シュウマイ協会の設立記念パーティー。崎陽軒本店で行い、お祝いにお披露目した「ジャンボシウマイ」
私は食べ歩きを始めてしばらくしてから、その必要性を事あるごとに感じ、発信してきました。その意見に共感してくれる人も多く、ならば、きちんとその記念日を管理する組織も作って、シュウマイのメジャー化を本気で考えようという所から、私が代表理事を務める「一般社団法人日本シュウマイ協会」の設立につながりました。
そして、協会設立と並行して「シュウマイの日」を公的に認知及び使用してもらえるよう、商標登録をし、現在は協会が管理しています。言葉で記すのは簡単なのですが、ここに至るまで様々なことがありました。
「シュウマイの日」をいつにするべきか――。その必要性に共感したメンバーたちで議論した結果、分かりやすく語呂がいい日にしようとなり、結果、「つ・つ・む=2月26日」としました。
餃子や春巻きも「つつむ」じゃないか!とよく指摘されますが、ツッコミどころがあるということは、それだけ覚えやすいということでご容赦ください。むしろ、餃子や春巻き側の皆さんさえよければ、「つつむ」同士でイベントをしてもいいと思っているぐらいです。
2023年の「シュウマイの日」記念食事会の様子
2024年の「シュウマイの日」記念食事会の様子。その日限定の「特別シュウマイセット」やコースを用意した
とはいえ、悲しいかな「シュウマイの日」を登録した2022年6月22日(逆から読むと226なので)からもうすぐ3年。餃子や春巻き側からそのオーダーはありませんので、ここ3年は日本シュウマイ協会単独で、シュウマイをお祝いする食事会を実施しています。
出来たばかりの小さな協会の力で、実際に広くシュウマイを食べてもらえるような規模のイベントなどの企画運営をするには、時間もお金も足りません。
まずは、シュウマイに対する愛や感度が高い「シュウマニスト」の方々にフォーカスし、声をかけ、数十名単位でシュウマイを楽しく食べながら語らう場を作り、その楽しさを小さな波から大きな波に広げる、「バタフライエフェクト」的な効果を狙うことが第一だと考えました。
同時に、その会場では表彰式を行ってきました。
賞はふたつ。1年間でシュウマイを最も世に広める貢献をした人を表彰する「ベスト・シュウマニスト」。同じく、1年間でシュウマイを世に広める貢献をしたモノ・サービス・企画を表彰する「シュウマイ・オブ・ザ・イヤー」。
表彰式を企画した意図は、大きくふたつの理由があります。ひとつは、この手の表彰式はメディアに取り上げられやすいこと。同時に、「シュウマイの日」の認知にもつなげること。
もうひとつは、人やモノ・サービス・企画には、著名人や大企業、社会的注目団体などが関わっていることが多く、そうした人たちを通してシュウマイを知ってもらう機会を増やしたいと考えました。
特に著名人たちの「シュウマイ愛」はもっと掘り起こし、そのファンの方々にも「シュウマイ愛」を波及していくような企画を具体化していきたいと思っています。
ちなみに、これまでの受賞者は以下の通りです。
■ベストシュウマニスト
2022年度 鹿沼商工会議所
2023年度 小栗 旬さん(味の素冷凍食品ザ★®シュウマイCM出演)
2024年度 服部幸應さん(実はシュウマイ愛があり、私にシュウマイの資料を提供して下さいました)
■シュウマイオブザイヤー
2022年度 シウマイ弁当(鮪照り焼きの代わりに、塩鮭になった時の話題性)
2023年度 楽陽食品(パッケージに「シュウマイの日」ロゴを貼り付けた貢献度)
2024年度 タコシウマイの浜福(ジャパン・フード・セレクションでグランプリを獲得。シュウマイの認知度向上に貢献)
上は2023年、下は2024年の「ベスト・シュウマニスト」と「シュウマイ・オブ・ザ・イヤー」の表彰式の様子
3年目を迎えて、このイベントと表彰式開催をリリースする前から、「シュウマイの日」に合わせたテレビや雑誌の企画の相談を受ける機会が増えました。少なくとも、「シュウマイの日」の社会的認知度は徐々に上がり、記念日を制定した効果が生まれ始めていると言ってもいいのでは?
とはいえ、餃子やラーメンなどと比較すると、認知度や知名度は足元にも及びません。ただ、3年目にこうして変化が起こったのは、「石の上にも三年」ならぬ「シュウマイの上にも三年」でしょうか。
継続は力なりと信じ、それこそシュウマイの特徴である、派手さはないけれど、あらゆる場面で思い出してもらえる「バイプレイヤー」的な記念日として、今後もせいろで蒸すように大事に温めていきたいと思います。
文・写真提供/シュウマイ潤
記事提供元:週プレNEWS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。