「舞台『鬼滅の刃』其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里」上演決定! 竈門炭治郎を続投する阪本奨悟、上弦の鬼・黒死牟&童磨として参戦する加藤和樹と浦井健治を直撃「目の前で躍動するキャラクターたちを見に来てください!」
舞台『鬼滅の刃』シリーズ第5弾となる新作「舞台『鬼滅の刃』其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里」(東京・天王洲 銀河劇場にて4月11日~4月20日、兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobeにて4月25日~4月27日上演)の製作発表会が東京都内で行われた。今作では、前作に引き続き主人公の竈門炭治郎役を阪本奨悟が、竈門襧豆子役(※)を髙橋かれんが、鬼舞辻無惨役を佐々木喜英が演じるほか、新キャストとして上弦の壱・黒死牟役を加藤和樹が、上弦の弐・童磨役を浦井健治が映像出演する。
週プレNEWSは、製作発表会を終えた主演の阪本と新キャストとして参加する加藤、浦井を直撃。舞台への意気込みと、『鬼滅の刃』への思いを聞いた。
※禰豆子の「禰」は「ネ(しめすへん)」、鬼舞辻の「辻」は「一点しんにょう」が正式表記となります。
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■炭治郎、黒死牟、童磨を演じる三名が集結!――今回の舞台では、上弦の壱・黒死牟、上弦の弐・童磨という強敵を、加藤さん、浦井さんがそれぞれ演じられます。役が決まった経緯を教えてください。
加藤 僕は、前作の「舞台『鬼滅の刃』其ノ肆 遊郭潜入(以下、『遊郭潜入』)』を、友人が出演していたこともあり、お客さんとして観劇させていただいたんです。ストーリーはもちろん、原作を忠実に再現した演出と、皆さんの迫真の演技に感動して、人目もはばからずボロ泣きしてしまって(笑)。
その感動をネルケプランニングさんにお伝えしたら...なんとオファーしてくださり、黒死牟役が決まりました。まさか自分が「舞台『鬼滅の刃』」の世界に携われるとは思ってもいなかったので、素直にびっくりし、嬉しかったです。
上弦の壱・黒死牟役の加藤和樹
浦井 僕はもともと『鬼滅の刃』の大大大ファンで。原作もアニメ版も堪らなく大好きなんです。大ファンであることをどこかで聞きつけてくださったようで、今回お声がけいただき、童磨を演じさせていただくことになりました。
上弦の弐・童磨役の浦井健治
――お二人とも、もともと『鬼滅の刃』という作品に関心があったのですね。
浦井 はい。それこそミュージカル 『キングアーサー』(2023年1月上演)で、(加藤)和樹と(舞台『鬼滅の刃』シリーズで竈門炭治郎役を演じた)小林亮太くんと共演したときは、遊びで「〇〇の呼吸!」とか散々言っていて(笑)。
加藤 浦井さん、ただのオタクでしたよね(笑)。
浦井 純粋にファンなんです。だからオファーをいただいた瞬間は悶絶しましたよ。「うわぁ~!」って(笑)。
――前作に続き炭治郎役を務められる阪本さんは、おふたりが黒死牟と童磨を演じられると聞いたとき、率直にどう思われましたか?
阪本 衝撃でした。お二人とも大先輩ですから。身が引き締まる思いです。
加藤 僕と(阪本)奨悟は、2008年上演の「ミュージカル『テニスの王子様』The Imperial Presence氷帝feat.比嘉(以下、「テニミュ」)」以来の共演なんです。
阪本 約17年ぶりになるみたいです。和樹くんが先輩として引っ張ってくださる中、僕も呼応するように全力で付いて行ったのを覚えています。当時は僕が(主人公の)越前リョーマ役で、和樹くんが(氷帝学園テニス部の部長)跡部様(跡部景吾)役で。また「ジャンプ」作品で敵対する役として共演できるなんて、とても感慨深いです。
阪本と加藤は「テニミュ」以来の共演となった
加藤 『遊郭潜入』で炭治郎を演じる奨悟の姿を見たとき、「成長を感じた」というと偉そうだけど、本当に素晴らしい役者さんだなと、改めて思いました。というのも「竈門炭治郎が本当にそこにいる」と感じさせる魂のお芝居だったんです。本人が目の前にいるから言っているわけではありません。「テニミュ」の時も毎公演必死に食らいついてくる姿が印象的でしたが、奨悟自身が持っているひたむきさ、負けん気の強さが、炭治郎のキャラクターとリンクしているんでしょうね。それはリョーマにも通ずる部分だと思います。
阪本 うれしいです。ありがとうございます!
浦井 僕は今回、阪本さんと初めて共演させていただくわけですけど、今日の製作発表では登壇するなりいきなり自分の名前を名乗って(※編集部注:登壇後に改めて自己紹介、という段取りであったとのこと)いて(笑)。その素直な人柄がまさに炭治郎だなぁと思いました。
阪本 お辞儀するだけでよかったのに、つい自己紹介を......。緊張のあまり、しくじりました(笑)。
――前回、一度演じられたことで炭治郎という役がより板についたのかもしれませんね。
阪本 そうだと良いですね。実際、一度演じさせていただいたことで炭治郎に対する「好き」が「尊敬」に変わった感覚はあります。もともと僕も舞台に関わる前から『鬼滅の刃』の大ファンで、炭治郎がいちばん大好きなキャラクターだったんです。
炭治郎は家族を鬼に殺された。「もし自分の家族が......」と考えると、怒りや憎しみが生まれそうなものです。でも炭治郎は、憎いはずの鬼に対しても「救ってあげたい」という気持ちを持って行動している。その優しさ、器の大きさは、僕も見習わなきゃいけないなと。炭治郎をリアルに演じるべく、人として影響を受けているところはあるかもしれません。
■舞台『鬼滅の刃』の魅力は?――黒死牟、童磨の役作りについても聞かせてください。
加藤 黒死牟に関しては、あの格好にならないとスイッチが入らない気もしますが(笑)。3次元の世界で黒死牟が動いたら、刀を振ったら......その一挙手一投足に、ホンモノの佇まいを滲み出せるよう頑張りたいです。2.5次元の舞台を観に来てくださるお客さんは、リアルに実在するキャラクターに期待して足を運ばれるはずですからね。
浦井 僕も和樹と同じです。『鬼滅の刃』は原作ファンの方がいる大人気作品。中でも黒死牟と童磨、そして蒼木陣くん演じる(上弦の参・)猗窩座もまた、人気の高いキャラクター。生い立ちや鬼として生きる背景をしっかり自分の中に落とし込んで、原作ファンの方から見ても「童磨だ」と納得してもらえるよう極限まで追求していきたいです。
――先ほどの製作発表会で浦井さんは、アニメ版で童磨を演じている声優の宮野真守さんにご連絡されたと話されていました。舞台化の際、やはりアニメ版の声優さんの演技は参考にされるものなのでしょうか。
浦井 僕はそうですね。過去、『DEATH NOTE』の夜神月を舞台で演じさせてもらったときも、アニメ版で声を当てていたまもちゃん(宮野真守)の演技を参考にしていました。まもちゃんの声の演技は、色っぽくもあり、どこか狂気的でもあって、その塩梅がキャラクターの奥行きを作っていると思うんです。童磨も掴みどころのないキャラクターですから、参考にさせてもらうと思います。まもちゃんからは「健ちゃんなりの童磨を演じればいいと思うよ」と言われましたけどね。
加藤 原作があるということは、ある意味、参考にすべきもの、ひとつの正解がそこにあるということ。まだアニメ版では少ししか出てきていない黒死牟ですが、声を当てていらっしゃる置鮎龍太郎さんは僕自身も大好きな声優さんですし、置鮎さんの演技の中に黒死牟を演じる上でのヒントがあると思っています。その正解以上の黒死牟を、舞台上で表現したいですね。
――では改めて、皆さんが思う2.5次元舞台の魅力は?
加藤 2.5次元舞台には、エンタメの全てが詰まっていると思います。以前『遊郭潜入』を観させていただいた時に思ったのは、今の2.5次元は映像技術との融合がとにかく凄いんです。2.5次元舞台は、文字通り2次元と3次元を繋げる、間にある表現。同じ舞台でもミュージカルとはまた違った感動があります。
ひとつの舞台芸術として、2.5次元舞台を知らないのは勿体無いとすら思うほどです。観たい人だけが観るものではなく、誰もが一度は観るべき表現と言い切れるほどの素晴らしさがあることを保証したいです。
阪本 世界にまで夢を届けられるのも、2.5次元の魅力だと思います。昨年、ニューヨークで開催された「Japan Parade 2024」に、舞台『鬼滅の刃』のキャストとして参加させてもらったのですが、大人から子供まで年齢問わず、現地の方々が僕らに会うことを楽しみにしてくださっていて、スゴく感動したんです。
大好きなキャラクターが目の前で躍動する。夢のようじゃないですか。先ほどの役作りの話にも通ずることですが、だからこそ、誰よりもキャラクターを、作品を愛して挑むことが、僕らの責任だと思うんです。
加藤 今回、初めて舞台『鬼滅の刃』の脚本・演出を担当される元吉庸泰さんとは何度かご一緒していますが、彼は本当に作品に対する思いや知識量が深くて、何を聞いても返ってくるんです。恐らく『鬼滅の刃』も大好きだと思いますし、「刀鍛冶の里」を盛り上げる演出を、既に頭の中でたくさん想像しているはず。僕と浦井さんは映像のみの出演になりますが、その映像がどう作られ、どう舞台と交わるかも楽しみです。皆さんにも期待していてもらいたいですね。
阪本 僕は、川﨑優作さん扮する玉壺がどう演出されるのか気になります。壺から飛び出ているキャラクターですからね。
浦井 ビジュアル撮影の時、僕の前が玉壺様(の撮影)で。「息がしづらい!」って、汗だくになりながら撮影していました(笑)。
加藤 あれは絶対大変だよね(笑)。元吉さんが素敵な魔法をかけてくれると思うけど。戦いの演出も楽しみです。甘露寺(蜜璃)さんとか、絶対に大変だろうなぁ。
阪本 他にも、空中戦があったり......。
加藤 元吉さんは「これできるかな?」って無茶振りを笑いながらしてくるような人だから。奇想天外なアイデアが出てくるかもしれないけど、信じて付いていけば絶対に面白い作品になる。それは間違いないです。
浦井 それと、歌! 上弦の鬼たちも結構歌うって聞いています。個人的には、かなり衝撃的。「鬼が歌うんだ!?」って。......と、演出に関わる話はここまでにしておきます(笑)。『DEATH NOTE』を演じた時も、夜神月とLが歌うことにかなり驚いた記憶がありますが、舞台を通して見るとスゴく理にかなっているんですよね。
製作発表会の時、鬼舞辻無惨様役の佐々木喜英さんも「歌の上手さ=キャラクターの強さ」みたいなところがある、と仰っていましたが、歌でキャラクターが表現されるところも2.5次元舞台の魅力じゃないかと思います。終演後、上弦の歌を口ずさんで帰ってもらえたら、僕としてはうれしいです。
加藤 上弦の歌を口ずさむ......おどろおどろしい想像をしちゃうね(笑)。
――舞台化がますます楽しみになってまいりました。では最後に、皆さんが思う『鬼滅の刃』の魅力を聞かせてください。
浦井 鬼にもいろいろな生い立ちがあり、それぞれに魅力があるところですかね。鬼ももともとは人間だった。ではなぜ鬼になったのか、何を抱えていたのか。様々な背景があるわけですけど、みんな、最終的には炭治郎の愛にどこか救われる。『遊郭潜入』のラスト、妓夫太郎と堕姫という兄妹の鬼が言い争いをしながら消えていくシーンは、泣けて仕方がない......。
加藤 僕が前作の舞台でボロ泣きしたシーンです(笑)。
浦井 炭治郎と襧豆子の実直な兄妹愛との対比にもなっているんですよね。いやぁ、本当に深い作品です。すみません、ついオタク心が出てしまいました(笑)。
加藤 実際、全編を通して家族や兄妹がテーマになっている作品とも言えますよね。僕にも弟がいますけど、子どもの頃に交わした言葉や小さな約束みたいなものって、意外と大人になっても覚えているもので。あえて思い出話をしなくても、どこかで繋がっているんだなぁと感じます。
そういう当たり前のことを、改めてピュアな気持ちで感じさせてくれるのが『鬼滅の刃』の魅力ではないでしょうか。血は繋がっていなくても、やはり人と人との繋がりは大事だとか。そういったことも含めて。
阪本 おふたりのおっしゃる通りです。『鬼滅の刃』という作品が多くの方に愛されているということは、炭治郎というキャラクターもまた愛されているということ。『鬼滅の刃』原作者の吾峠呼世晴先生が魂を込めて描き上げた作品。プレッシャーもありますが、舞台だからこそ感じられる『鬼滅の刃』の魅力を届けられるよう、たくさん汗をかいて、責任を持って演じ抜きたいと思います。是非、劇場にお越しください!
「舞台『鬼滅の刃』其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里」製作発表会の様子
●舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里 公式サイト
https://kimetsu.com/stage/2025/
取材・文/とり 撮影/村上庄吾
記事提供元:週プレNEWS
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