韓国ヒョンデとまさかのコラボ! その心境を東京オートサロン2025で直撃!!「"ドリキン"土屋さん、EV好きでしたっけ?」
左が韓国ヒョンデのスポーツブランドNのトップを務めるパク・ジュン氏。右はご存じ元レーシングドライバーの土屋圭市氏
韓国ヒョンデ自慢のギンギンEVがアイオニック5N。今回、さらに走りを突き詰めたDKエディションが登場。しかも、監修者は〝ドリフトキング〟の異名を持つ土屋圭市氏! プロジェクトの全貌に迫った。
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■ドリキン初試乗で「重いけど面白い!」今年で43回目の開催となった世界最大級の改造車の祭典「東京オートサロン2025」(1月10~12日)。会場となった幕張メッセ(千葉県千葉市)には、3日間で実に約26万人ものクルマ好きが大集結!
この東京オートサロンで韓国ヒョンデが初公開し、クルマ好きを歓喜させたEVがアイオニック5N DKエディションである。何しろ監修を行なったのは、あの〝ドリキン〟土屋圭市氏! このギンギンEVは年内に発売予定だ。
てなわけで、ヒョンデのNブランドのトップを務めるパク・ジュン氏と土屋圭市氏を、自動車研究家の山本シンヤ氏が東京オートサロンの会場で直撃した!
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――パクさん、東京オートサロンにヒョンデは2回目の出展ですね。そして、ブースも前回より大きくなりました。
パク 私にとって東京オートサロンは憧れの場所。若いときに何度も訪れました。なので、この場に出展できることは何よりの喜びですよ。
――そして今回初公開されたアイオニック5N DKエディションを監修したのは土屋圭市さんです。そもそもの話になりますが、土屋さん、EV好きでしたっけ?
土屋 これまでのEVには興味がなかったんだけど、3年前、(元F1レーサーの)鈴木亜久里から「ヒョンデのクルマに乗ったことある? 乗らないと痛い目に遭うよ」と言われて。
で、オーストラリアでアイオニック5Nに乗ってみたら、「なんじゃコレ!」って(笑)。ポルシェみたいにクルマをコントロールできるところにビックリしたよね。
ヒョンデ アイオニック5N DKエディション 東京オートサロンで初公開されたアイオニック5N DKエディション。ちなみに「DK」は監修を務めた土屋氏の異名「ドリキン」が由来!
男心を刺激しまくる専用エアロパーツを装着。いったいどんな走りを披露するのかチョー気になる
――パクさんにお聞きします。なぜ土屋さんに監修を?
パク 若い頃、私は日本車や日本車の文化が好きで『ベストモータリング』や『ビデオオプション』など、いろいろなビデオを見ました。そこに出演していたのが土屋さん。それもあって、ヒョンデでパフォーマンス・カーを造るときは、ぜひとも土屋さんのようなレジェンドとコラボしたいと夢見ていました。
実際に土屋さんに乗ってもらうと、彼は日本語で「重いけど面白い!」と。だったら、世界中のクルマ好きの人たちがもっともっと楽しめるよう、チューニングのコラボレーションをお願いしました。
昨年、中国で実現したパク氏(左)と豊田章男トヨタ自動車会長(右)のツーショット
――トヨタの豊田章男会長がアイオニック5Nに乗ったときに、「これがクルマ屋さんの造る電気自動車だ!」と言いました。土屋さんは?
土屋 一緒! 電気屋さんが造るEVはBYDで、クルマ屋さんが造るEVはヒョンデ。一番の違いはモーターで四輪をどのように制御させるかをクルマ屋さんはわかっている。特にカーブなどを曲がるときに感じるよね。
――「日本車、EVでもっと頑張れ!」と思いますか?
土屋 勝負する必要はないと思うけど、恐らくこの世界には入ってこないだろうね。日本車はハイブリッドで世界と戦えるしね。
――監修時にヒョンデのモータースポーツ活動の成果を感じることは?
土屋 絶対に生きている。クルマの動きをちゃんと理解していて、「いい走りとは何か?」の答えを知っているんだよね。
――逆にパクさんが土屋さんから何か学んだところは?
パク 土屋さんは単にクルマを上手に操るだけではなく、エンジニアリングの側面も理解しています。さらに計測では難しいフィーリングのようなところも指摘してくれる。結果、土屋さんの知見や技術をアイオニック5N DKエディションに色濃く投入できました。
ヒョンデのNブランドがブチカマしたドアも窓もなくフレームむき出しのテスト車両RN24
――もしやパクさんはすでに次のことを考えている?
パク いろいろ考えていますよ。そのひとつがテスト車両のRN24です。われわれはEVだけに注目しているわけではありません。実は私はガソリンエンジン車が大好き。
――なるほど。だから、ガソリンエンジン車好きの人も納得できるアイオニック5Nを開発したわけですね?
パク ただ、ひとつ言えることは、馬力がすべてではないということ。だからアイオニック5N DKエディションはノーマルと同じ650馬力のままです。遊ぶにはこれで十分でしょう? だから、馬力の戦争には参加したくない。
もちろん、馬力を増やすことは技術的に可能ですが、一般的な消費者は手に入れることが難しくなる。われわれはできるだけ手頃な価格であり続けたいと思っています。
――ちなみに今年はNブランドの10周年ですね?
パク 今年の半ばにはNブランド10周年をお祝いする予定があります。そして、そのときにほかのニュースもオープンにできるはずです。
――楽しみにしています!
撮影/宮下豊史 山本シンヤ
記事提供元:週プレNEWS
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