涙の初優勝の“ご褒美” 佐藤心結は自身2戦目の米ツアーへ気合「トップレベルが集まっている大会」
<ホンダLPGAタイランド 事前情報◇17日◇サイアムCC オールドC(タイ)◇6632ヤード・パー72>
念願のプロ初優勝が、タイで行われる米国女子ツアー出場の道も切り開いた。推薦で出場する21歳の佐藤心結は、予選会を勝ち抜いて出場した2023年の「全米女子オープン」以来となる米ツアーに挑む。
少し歩くだけですぐに額から汗がこぼれてくるような蒸し暑さの月曜日。佐藤は明愛、千怜の岩井姉妹とともに10番からの練習ラウンドでコースの感触を確かめた。「芝がかなり日本とは違いますね。ショット、アプローチ、パター全てで慣れないといけない」。開幕までにアジャストすべき点は多い。
ただ、ここへ向けての“予習”も積んできた。2週前には仁井優花、同い年の川崎春花とともにタイのバンコクで1週間の合宿。前週は日本で過ごしていたものの、暑さも含め戸惑いは少ない。「合宿でいろいろな練習ができました。それで対応できた部分もある」と、効果を感じる場面も多い。
昨年10月の国内ツアー「スタンレーレディスホンダ」で初優勝を挙げ、涙した。今回の出場経緯について、本人はこう説明する。「スタンレーの週に、ここで優勝したら(ホンダLPGAタイランドの)出場権がもらえるというのが直前に決まったみたいで。私も最終日のスタートのテントに貼ってあるのを見て知ったんです。ここに向けて頑張って調整してきました」。いわば、ご褒美だ。
6632ヤードのこのコースは、飛距離が出る選手が有利という声も聞こえてくる。2年前には、ドライビングディスタンスで253.92ヤードを記録し、日本ツアー10位に入った佐藤も、「苦手意識はない。ティショットも打ちやすいところが多い」と、やりやすさを感じている。とはいえ、やはり“一筋縄”とはいかず「グリーンにアンジュレーションや傾斜が強いところが多い。段グリーンもあるので、ピンポイントに打たないといけない。アイアンの精度は試されるかな。スピンがきいたアイアンは持ち味でもあるので、そこが生きてくれば」と、“プラスα”の部分を強調する。
「全米女子オープンが初の海外での試合だったんですけど、雰囲気が楽しかった。今回もそこを楽しみながら、自分のプレーができれば」。今大会は予選落ちもなく、4日間、いい経験も積むことができる。「72人しか出られなくてトップレベルの選手が集まっている大会」。自然と気持ちもたかぶる。
出場する9人の日本勢で今季、日本ツアーを主戦場にする選手は佐藤のみ。タイ料理は「辛いものが苦手で…。もともとあまり冒険できないタイプです」と苦笑いも浮かべるが、その表情は明るい。岩井姉妹とのハーフラウンドを終えると、「コースを知りたいので」と1番ティからの“おかわり”にも向かっていった。「トップ10を目指して頑張ります」。日本代表として“Miyu Sato”の名をタイから轟かせたい。(文・間宮輝憲)
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