JR東日本がSCフェアで「高輪ゲートウェイシティ」をアピール! 今後の鉄道サービスではSuicaサブスクに期待(神奈川県横浜市)
2025年の鉄道界で、ファン直近の関心事は「高輪ゲートウェイシティ」かも。JR東日本の港区高輪界わい再開発は、3月27日にまちびらきを迎える。
1月22~24日に横浜市のパシフィコ横浜で開かれた、商業施設やテナントの総合展示会「SCビジネスフェア2025」。会場では、JR東日本ブースに高輪ゲートウェイシティの大型模型が展示されて来場者の目を奪った。
フェアは迎えて49回目という歴史ある展示・商談会。商業施設の業界団体・日本ショッピングセンター協会(SC協)が主催した。
鉄道関係の主な出展者は、JR東日本、JR東海、JR西日本のJR本州3社のほか、JR四国が前回に続いて登場。JR四国は2024年9月の松山駅付近連続立体交差化で開業した「JR松山駅だんだん通り」を売り込んだ。JR北海道グループの札幌駅総合開発もブースを構えた。
私鉄は関東圏で東急、京急、東武、京王、小田急、東京メトロ、相鉄の各社、中部圏で名鉄、近畿圏で阪急阪神グループ、近鉄グループホールディングスなどが出資する大阪地下街が参加した。
喜勢JR東日本社長が基調講演
会期初日のセミナーで、基調講演のスピーカーを務めたのはJR東日本の喜勢陽一社長。「JR東日本グループの成長戦略~高輪ゲートウエイシティを中心に~」のタイトルで、今後の針路を語った。
喜勢社長は、「JR東日本グループの駅まちづくり」、「ビヨンドステーション」、「Suicaルネッサンス」の3項目で、生活サービス事業やSuica事業の戦略を披露した。
このうち、鉄道ファンが注目したいのがSuicaルネッサンス。喜勢社長によると、2001年に発行を開始したSuicaの流通枚数は1億枚以上。スマートフォンで利用できる「モバイルSuica」も3000万枚(件)を超す。
現在のSuicaの基本機能は端末。改札機や券売機、精算機が運賃計算やチャージを受け持つが、2028年度をめどに「Suicaアプリ(仮称)」をリリースして、改札機などの機能をセンターサーバーに移す。
センターサーバー移行で可能になるのが、サブスク型の鉄道チケット。例えば、毎月3000円を自動引き落としなどで支払えば、クーポンを配信。クーポンを利用すれば、自宅最寄り駅から目的地への運賃が半額になったりする(上限額はあり)。
さらに、首都圏と東北といったエリア制限はなくなり、東京で乗車して盛岡で下車できるようにもなる。
音楽鑑賞で聴き放題のサブスクが普及したように、Suicaアプリは外出のハードルを下げ、思い立った日に出掛けられる新しい行動スタイルを定着させるかもしれない。
現在のSuicaはチャージ上限は2万円。センターサーバー移行は、エリア制限解消と同じく、上限額をなくし高額の買い物もアプリで可能になる。
Suicaアプリは、レストランクーポンなど鉄道以外の特典も提供できる。喜勢社長は聴講者に向け、幅広い協業を呼び掛けた。
【参考】「Suica」は今後10年でどのように進化するか JR東日本が将来像を発表(※2024年12月10日掲載)
https://tetsudo-ch.com/12990997.html
西鉄の「ワンフクオカビル」4月開業
SC協によると、2025年は全国16施設のSCが開業を予定する。鉄道系では、3月に「minamoa(ミナモア=広島駅ビル)」(開発・運営会社=JR西日本、中国SC開発)、「ニュウマン高輪」(ルミネ)、4月に「ONE FUKUOKA BLDG.(ワンフクオカビルディング)」(西鉄)の3施設オープンが予告される。
福岡市中心部・天神の再開発ビル・西鉄のワンフクオカは地上19階、地下4階建て。館内にはショップのほか、オフィス、ホテル、会議・交流施設などが入居する。
記事:上里夏生
記事提供元:鉄道チャンネル
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