望まぬ性に生まれたサンとボクサーの愛の軌跡 2人の愛が試される 「その花は夜に咲く」予告
2025年3月21日より劇場公開される、「第三夫人と髪飾り」のアッシュ・メイフェア監督最新作「その花は夜に咲く」の、予告編が公開された。
予告編は、眠るサンのかたわらで「お前はもう完璧な女だよ」とつぶやく、ナムの哀しげな姿から始まる。そして愛し合う2人が直面する困難が映し出され、手術費用のために街のフィクサー、ミスター・ヴーンと逢瀬(おうせ)を重ねるようになるサンの憂いに満ちた表情が収められている。中盤には、すれ違っていく2人の前にある女が現れ、その愛の物語に嫉妬や裏切り、あせりや不安が影を差し始める。ラストは「愛し合う2人にこの街は残酷」という印象的なキャッチコピーで締められ、2人に待ち受けるドラマチックな物語を暗示させる映像となっている。
「その花は夜に咲く」は、望まぬ性に生まれたサンとボクサーのナムとの愛の軌跡を、監督自身の中学時代の経験や記憶、トランスジェンダーの友人をモデルに作り上げた作品。経済解放から間もない、昔ながらの活気と風情が息づく1998年のサイゴン。その都会の片隅に、貧しくもつつましく、愛し合いながら生きるサンとナムがいた。サンは望まぬ性に生まれながらも、夜の世界で歌手として、ナムはボクサーとして懸命に暮らしていた。だが、若さゆえ、2人は容赦ない夜の世界に飲まれてゆく。嫉妬や裏切り、焦りや不安、少しずつずれていく二人の距離と、2人の運命の歯車が狂いはじめる。
監督は、デビュー作「第三夫人と髪飾り」が世界の映画祭で数々の賞を受賞し、スパイク・リーやトラン・アン・ユンがその才能を絶賛するアッシュ・メイフェア。サン役には自らもトランスジェンダーであるチャン・クアンを抜擢。本作でスクリーン・デビュー果たし、その美しさからミス・インターナショナル・クイーン2023ベトナム大会でトップ10に選ばれ、ベストフェイス賞も受賞している。ナム役は、数々の映画やドラマに出演しているヴォー・ディエン・ザー・フイ。ボクサーという激しさと優しさの両面を持ち合わせた繊細な役柄を体現している。
【作品情報】
その花は夜に咲く
2025年3月21日(金)~シネマート新宿ほか全国順次公開
配給:ビターズ・エンド
©An Nam Productions, Đông A Films, Akanga Film Asia, Bitters End, Mayfair Pictures
記事提供元:映画スクエア
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