【お悩み相談連載:さらば青春の光・東ブクロの『こわいもんなし』】「貧乏は絶対に経験したほうがええ。その中に小さな幸せを感じられるかどうか」
酸いも甘いも噛み分けた孤高のお笑い芸人・東ブクロ(さらば青春の光)のお悩み相談連載「東ブクロの『こわいもんなし』」。
恋のお悩み、仕事のお悩み、日常のふとしたお悩み、そして性のお悩み......まで、東西南北森羅万象、どんな悩みも東ブクロがズバッと解決!!
■「嫌な相手は踊らせてなんぼ」【お悩みNo.49】仕事先でムカつく相手がいます。取引先の大きな会社の人なのですが、部下に仕事を任せているくせに、私がなにか提案すると横から出てきて文句をつけます。部下は乗り気でも、すべて頭ごなしに否定します。その態度には下請けに対する見下した感情がすけているように思えます。
すんごく嫌いなのですが、その人と同じ会社の人に聞くと「あの人はいい人だよ」とのことで、そういう人間に対してどう接したらいいのでしょうか。仕事の都合上その人との関係は切ろうと思ってもきれません。【40代・男性会社員】
* * *
――どこの業界にもこういう人はいます。
人間的に合わないというよりバカにされてるし、ナメられてますよね。おそらく人を見て態度を変えているんでしょう。だから社内の評価は悪くない。普段からそういう人間性だからこそ、「下請けのこいつにはこの感じで接してていいんや」と思ってる。そんな相手には意表をつかないと。
――もしも絶対的に見下していた相手が反撃をしてきたら?
なんか今日、えらい反抗的やし、機嫌悪そうやな。そう感じたら、ちょっと態度を変えるかもしれないですよ。なめてくるやつに対しては、こっちも多分その態度を示さんとこのままズルズル関係は断ち切れません。
下請けと取引先って、たとえるなら局のプロデューサーと制作会社のADくらいの立場の差があるかもしれない。でも、今の時代は上の人も下に言いにくくなってるはずなんですよ。
現場とかでも、今の時代にもこんなに怒鳴るディレクターさんおるんやって人に会うことがあるけど、そんな人でもADさんが明らかに機嫌悪くなったら、ちょっと気遣うのがわかる。
――パワハラやモラハラが淘汰される時代になってきました。
切っても切れない関係性があるということは、ヘコヘコしながら仕事取ってきてという感じでもないんでしょうから、「なんならいつでもかみついたるぞ」って態度をとるのは一つの手やと思うんです。向こうもちょっと改めなあかんなと思うはずなんで
――卑屈な態度をとり続ける必要はない。
卑屈な態度をとると、その瞬間はもちろんそうですけど、家に帰ってからもずっとイライラしませんか。そういう態度をとってしまった自分が嫌になる。それと同じように、下請けに対して嫌な態度をとっている人間にだって、そういった感情になることがあるかもしれない。
あなたが従順に聞いてる限りはわからないかもしれないけど、相手が少しでも嫌そうな顔を見せたり、反抗的な態度を取ったら、相手も気がつくはず。「あれ、俺って嫌なやつなんかな」って。
――良心が残ってる人間かどうか。
社内での評判がいい人なんやったら、そういう一面はあるはずなんでね。なんかそこを引きずり出すぐらい、こっちも腹立ってるぞっていうところを見せたらいいと思います。
――自分の力を誇示したいのかもしれない。
そういう人には「よいしょ」です。徹底的に持ち上げて、その人がなにかヘマをしたらいじり倒す。周囲の人も、なんでよいしょしているかわかるやろし、その人に対して普段から違和感を持ってるはずなんです。
そういう人の失敗をみんなの前でいじったらウケるんです。その時点で「こいつに辱(はずかし)めを受けさしたぞ」って思えたら、その人に嫌な態度を取られたのもトントン。嫌な相手は踊らせてなんぼです。
――気持ちよく手のひらの上で踊らせておいて、落とす。
そしたら自分も周りもスッキリするんちゃうかな。今の現状をなげくのでなく、好転させていく。「あの人、嫌な人ですよね~」って笑い話にしてしまうのも、みんなあなた次第やと思いますよ。
■「あの頃のギラギラ感は懐かしくなる」【お悩みNo.50】今年大学を卒業し就職をしたのですが、給料が低すぎて生活がカツカツの状態です。新人ですし一人暮らしということもあるので、特に会社に対してどうこうあるわけではないのですが、上手に貧乏生活をこなすコツが知りたいです。ブクロさんはどのように貧乏生活を乗り切っていたのでしょうか?【PN:瓶底生活・23 歳・男・会社員】
* * *
――お金がない若者からの相談です。
若いうちにたくさん金なんて持っててもいいことないと思うし、貧乏は絶対に経験したほうがええと思います。今思い出しても、「この1万円をパチンコに突っ込んで負けたらどうしようもなくなる」っていう状況は一番ひりつきましたし、興奮しました。この歳になるとそれくらいのお金で困ることはないけど、あの頃のギラギラ感は今思ったらなんか懐かしくなるから。
――最貧乏時代はいつだったのか。
26歳まで実家だったんで「メシが食えない」とかはなかったですね。東京に来てもなんだかんだ女性にお世話なったりとかして、ほんまどうしようもないなあという時はなかったと思います。ただ、「財布に2000円しかないけどあと3日いけるか」みたいなのはしょっちゅうでした。
――2000円で3日ならいけそうな気もします。
200円あればパンは買えますからね。せやから、今日と明日は1食200円で我慢したら次の日は1000円ぐらい使えるやん、と思ってなんとなく生きてました。お金って先に使ってしまうと精神的にキツくなりますから。
――どうやって時間をつぶしていたのか?
ゲーム一択ですね。お金がある時にソフトを買って、それをひたすらやりこむ。大体ゲームいうんは水曜日に発売するんです。水曜日に買って朝から晩までゲームをやりこんで、1週間後に中古屋に持ち込みます。
発売1週間以内なら中古で高値で売れるますから、そのお金で次のゲームを買うんです。それをひたすら繰り返してましたね。7000円で買ったとしても、5000円ぐらい売れましたから、2000円で1週間遊べたんやと思ってたら、めちゃくちゃ儲けもんです。
――貧乏生活の中にも楽しみはあった?
なんだかんだいっても、食事が楽しみでしたね。切り詰めた生活の中で、たまに贅沢できるのがCoCo壱のカレー。ポークカレーでごはん400gにして食べるのが幸せだった、それを今でもよく覚えてますね。
お腹いっぱいになって幸せな気分になったら、オナニーして寝ましょう。動画販売サイトの無料サンプルでも十分ヌけますから。貧乏暮らしの中に小さな幸せを感じられるかどうかだと思いますよ。
●東ブクロ
1985年10月6日生まれ 大阪府茨木市出身
〇2008年に現在の相方である森田哲矢とお笑いコンビ『さらば青春の光』を結成。2017年に本名の東口宜隆から現在の芸名である東ブクロに改名した。芸能界を代表するプレイボーイとしても知られており、スキャンダルも含め多くの浮き名を流してきた。
公式YouTubeチャンネル『さらば青春の光Official Youtube Channel』
取材・文・撮影/キンマサタカ
記事提供元:週プレNEWS
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。