通信制のワオ高校が“誰でも参加できる哲学カフェ”開催 今年最初のテーマは「わきまえるべきこと」
「哲学」というと、抽象的な概念が並ぶ分かりにくい本が思い浮かぶのは不幸なこと。身近な出来事や考えを等身大の言葉で表現して対話することからスタートすると、本来の哲学の面白さが分かるかもしれない。通信制高校のワオ高校(岡山市)では、誰でも参加できる「哲学カフェ」を開催している。今年最初のテーマは「わきまえるべきこと」。1月10日(金)のスタートで、10回分のテーマが公表されている。
① 1/10(金) 学習:「なぜ学ぶのか?」~ホモ・サピエンスなる原点
② 1/17(金) 遊興:「なぜ遊ぶのか?」~ホモ・ルーデンスなる原点
③ 1/24(金) 創造:「なぜ作るのか?」~ホモ・ファーベルなる原点
④ 2/7(金) 対話:「なぜ話すのか?」~プラトンが担うべき視点
⑤ 2/14(金) 懊悩:「なぜ悩むのか?」~ニーチェが担うべき視点
⑥ 2/21(金) 教養:「なぜ慎むのか?」~ヘーゲルが担うべき視点
⑦ 3/7(金) 配慮:「なぜ気遣うのか?」~ディルタイという起点
⑧ 3/14(金) 解釈:「なぜ気づくのか?」~ヤスパースという起点
⑨ 3/21(金) 指標:「なぜ頑張るのか?」~ハイデガーという起点
⑩ 3/28(金) 瞬間:「なぜ生きるのか?」~ベルクソンという起点
哲学をもとにした対話を実践する機会の一つとして、教師と生徒の壁を取り払って自由に議論する場「哲学カフェ」を実施している同校。ヘーゲルが示唆した「自分がよいと思ったことが他の誰にとってもよいといえるものかどうかを判断する能力」について、多面的に考えることを今回の目的にしている。「自己主張」や「自己顕示」という言葉は、他者への配慮なくただ自分を目立たせることだけに執着している印象がある。人間にとって「他者」は、自分を知るために不可欠な存在であると同時に、他者を利用することも多いのが現実。だからこそ“わきまえる”ことが大切になってくる。哲学カフェで人間らしさと人間臭さの両面の意味と価値を探ってみよう。発言できなくても、“耳だけ参加”もOK。毎週金曜日18時~19時開催。申し込み期限は実施前日の15時まで。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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