シングルマザーと若年性認知症の男性 互いに寄り添い、過去や人生と向き合う 「あの歌を憶えている」予告
2025年2月21日より劇場公開される、ジェシカ・チャステイン主演作「あの歌を憶えている」の、本予告が公開された。
本予告映像は、高校の同窓会に出席したシルヴィアが、帰宅した自宅前で寝ていたソールに声をかけるシーンから始まる。ニューヨークでソーシャルワーカーとして働くシングルマザーのシルヴィアは、同窓会の日に自分を尾けてきた理由を問い詰め、「都合が悪いと忘れるの?」と怒りをぶつけるが、ソールはただ一言「覚えていないんだ」と答える。
その後、ソールが若年性の認知症を患っていることを知り、ソールの姪(めい)から「叔父を見てもらえたら嬉しい」と頼まれたシルヴィアは、彼と時間を共有するようになる。しかし、忘れたい過去の傷が癒えないシルヴィアは、深入りすることを恐れ、ソールとの距離を縮めることにためらい続ける。そんな中、ソールが「自由を奪われた」とつぶやくと、シルヴィアもまた「あの出来事が忘れられない」と心の奥に秘めていた思いを吐露し、涙を流すのだった。記憶の苦しみに囚われた二人が、互いに支え合う中で、凍りついた心が少しずつ溶けていく様子が切り取られている。
「あの歌を憶えている」は、忘れたい記憶を抱え続けている女と、忘れたくない記憶を失っていってしまう男のヒューマンドラマ。主演は、「タミー・フェイの瞳」でアカデミー賞主演女優賞を受賞したジェシカ・チャステイン。過去と格闘するシングルマザーでソーシャルワーカーのシルヴィア役を演じている。わずかに残る遠い記憶をいつくしむ若年性認知症を抱えるソールを演じたのはピーター・サースガード。その他、シルヴィアの妹オリヴィア役にメリット・ウェヴァー。シルヴィアの娘アナ役にブルック・ティンバーらが顔をそろえる。
監督は、「或る終焉」「ニューオーダー」など、人間の内面を真正面から、時に暴力的な描写で描いてきたてメキシコのミシェル・フランコ。心に傷を抱えた男女が戸惑いながらも寄り添い、過去や人生と向き合う姿を静かに優しく描き出している。プロコル・ハルムの大ヒット曲「青い影」のエモーショナルな旋律が、登場人物たちの心情を際立たせている。
【作品情報】
あの歌を憶えている
2025年2月21日(金)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開
配給:セテラ・インターナショナル
© DONDE QUEMA EL SOL S.A.P.I. DE C.V. 2023
記事提供元:映画スクエア
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