【ウエストランド河本太の『人生相談する側チャンピオン』】第9回 三四郎・相田さん! 「菅田将暉さんとかR-指定さんとか、どうやって他業種の人と仲良くなるんですか?」
迷える青少年が作家や芸人に人生相談しに行くのはもう古い⁉ M-1チャンピオンでありながら、これまで数々のやらかしをしてきた迷える40歳、ウエストランドの河本太が、さまざまな先輩・仲間に人生相談を受けに行く不定期連載「人生相談する側チャンピオン」!
第1弾の爆笑問題さん、第2弾の東野幸治さんに続いて今回は、河本さんがこれまで最もお世話になって、最も迷惑をかけたという先輩、三四郎の相田周二さんに人生相談をしに行きます!(第3弾の1回目、4日連続更新)
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■河本は普通に三四郎のファン――この企画は、悩める河本さんの姿を悩める人たちが見て、「チャンピオンでも悩むのか、それなら」と元気をもらう対談です。
相田 いや、コイツは悩んでない。
河本 僕は常に悩んでますよ(笑)。
相田 何に悩んだことがあるんだよ。それに誰の手本にもならないでしょ。
河本 いやいや。相田さんは普段から話してるんで、爆笑問題さんや東野さんよりも適任かもしれないと思ったんですよ。ただ真面目な話はあんまりしてないですけどね。
――相談に行く前に、改めておふたりのご関係から教えていただけますか。相田さんが先輩ですよね。
相田 若干先輩ですね。4年先輩なのかな?
河本 でも年齢は同級生で。
相田 三四郎とウエストランドの4人は全員同級生なんです。今年41歳の年だね。
河本 僕だけ早生まれで40歳です。
相田 昔からの付き合いで、ずっと圧倒的に後輩だと思ってたんですよ。でも8年前ぐらいに年は同じだと気付いて。おい、ずっとおごってたけど同い年だぞ。
河本 歳はね! この世界は年齢じゃなく芸歴で決まるじゃないですか。
相田 いつも後輩ぶるからだよ。なんかずっと5歳ぐらい後輩みたいな立ち振る舞いしてるから。
河本 だって実際に4~5年後輩ですからしょうがないじゃないですか! 年下の先輩に対しても先輩扱いしますからね。
相田 でもルシファーさん(吉岡/相田から見て年上の後輩)と呑んだら俺がおごるよ。
河本 そりゃ後輩ですからね。でもあの人は異質だからなあ。
相田 マツモトクラブ(やはり年上の後輩)にもおごるよ。
河本 マツクラさんはズルいっすよ(笑)。役者時代の芸歴を抜いて接してくるから。
――とにかく河本さんにとって、相田さんは同じ学年だけど先輩というわけですよね。出会いは?
河本 もともと僕らが芸人を始めて、中野の小さい劇場なんかに出させてもらってる時に、そこで一番面白かったのが三四郎さんだったんです。最初にネタ見た時はおもろすぎて衝撃で、それから普通にファンとして追いかけるようになって。
相田 そう。単独ライブとかに来てくれるようになって。三四郎の2回目か3回目の単独ライブの時かな、なんかコイツが来たそうにしてたことを思い出したんで、ライブ当日に「招待できるけど今日来る?」って連絡したんですよ。そしたら「僕いま当日券の列に並んでます」って(笑)。
――普通にファンですね。
河本 はい。三四郎さん目当てで一時期、マセキの会員制サイトに登録してましたし。
相田 もう俺ら出なくなっちゃったもんな。
河本 そう。三四郎さんのは全部見たから解約しちゃって(笑)。初めて見た時からそれくらい、芸人の先輩としてというより、普通に三四郎のファンでした。そしたらだんだん声かけてもらえるようになって、ご飯とか行くようにもなって。
相田 なんで仲良くなったかあんまり覚えてないけどね。
河本 まあ当時はみんな同じようなライブに出てたんで、その流れで呑みに行くようになって。そこから行く人、行かない人って分かれるようになったけど、相田さんはずっと誘ってくれるんですよね。
相田 ついこの間も収録で一緒になって「この前はごちそうさまでした」って言われたけど、その期間に3回ぐらいおごってるからいつのこと言ってるか分からないくらいです。
――お互いの相方である小宮さんと井口さんが仲良いのとは関係あるんですか?
河本 それが関係ないんですよね、意外と。
相田 頻度は高くないけど僕は井口と呑むこともありますし。僕にもたまには井口と呑みたい時があるんですよ。
河本 相田さんは芸人とか関係なく割と誰とでも呑みに行くんですよね。交友関係がめちゃくちゃ広くて、もう心配になるくらい。
相田 誰が心配してるんだ。
――そこで河本さんからの最初の相談です。
人生相談①「どうやって他業種の人と仲良くなるんですか?」(東京都・河本太・40歳)
――相田さんといえば、菅田将暉さんやR-指定さんとも仲がいいっていう話を聞きますけど、スタッフさんとも呑みに行くんですよね。
相田 そうですね。もちろん1日で仲良くなるとか、あんまり関係ない人と呑んだりとかはないですけど。舞台が一緒になった仲間とか、レギュラー番組のスタッフさんとか。あ、でもたまたまお店で一緒になった人と急に合流することもあるか。
河本 行くんかい! そういうところが心配ですよ。でも芸人ってなかなか芸人以外と呑みに行かないじゃないですか。俳優さんとかアイドルの方と番組でご一緒したとしても、呑みに誘うってなかなか難しくないですか? 相田さんはそれが平気なので、だいぶ特殊だと思うんです。小宮さんなんて小宮軍団の人としか行かないのに。
相田 そういやこの間、生配信ドラマで一緒になったメンツで打ち上げがあって、そこに小宮もいて、役者さんたちもいたんだけど、久々の小宮軍団以外の呑みが楽しすぎて、そこから何回かみんなで集まろうとしてるらしい。でも、場所が小宮がよく行く高円寺だからみんな集まらないって。
河本 高円寺出ろや!(笑) でも芸人なんてそういうタイプが多いんですよ。ただ、小宮軍団に対して相田軍団がないわけでもないんですよね。相田さんに呼ばれて行った飲み会で話すようになった芸人も結構いるんです。
相田 でも呑めないやつが多いんですよね。ラブレターズの塚本とか東京ホテイソンのたけるとか、いつも誘ってから気付くんですけど、アイツらノリがいいから呼んじゃうんですよね。
河本 で、僕も呑めなくなっちゃったし。
相田 え? そうなの?
河本 やめてくださいよ! よく知ってるでしょ!
相田 でも、この前一緒にキャンプ行った時、すんごいデカい2リットルの「大五郎」持ってきてなかった?
河本 おい、なんちゅうボケぶち込んでくれてんだ!!
相田 荷物のほとんどがそれだったもんな。
河本 勘弁してください! この話はウソです。呑んでないですよ!
相田 山だからって。蹴るタクシーがないから。
河本 呑んだら蹴りたくなるワケではないですから!
――そういえばこないだタイタンのコンプラ講習会の動画がYouTubeに上がってるのを見ましたよ。
河本 え! あれ、YouTubeに上がってるんですか?
ウエストランドマネージャー 河本がきっかけでああいうのをやることになったとか。
河本 違う違う! あれ、僕がやらかす前にやることが決まってたんですけど、その間に僕がやらかしたから、みんなが僕のせいでっていうんですよ。橋下弁護士事務所の弁護士の方々が来てくださって、タイタンのタレントにコンプラについての講習をしてくださったんですけど、そこに出てくるやっちゃいけないことの具体的な事例が僕と井口のが多くて。
相田 おちんちんジェントルマンとタクシーキックマンね。
河本 タクシーキックマンじゃねえわ! 僕らコンビだけの問題なのに、爆笑問題さんまで呼ばれて。あのおふたりは酒呑まないのに。
相田 ......これ何の悩みの相談だっけ?
■「チャンピオンだよ、呑みに行こうよ」――話がだいぶ逸れましたが、「どうやって他業種の人と仲良くなるんですか?」という相談です。相田さんがR-指定さんと仲がいいのは、お酒ありきなんですか?
相田 いや、アイツはお酒呑めないんでいつもコーラなんですよ。
――スタッフさんともアルコールはナシで?
相田 いや、スタッフさんとは呑みたいんですよね。遊ぶというより呑み。呑めないスタッフさんはあんまり誘う気になれないですね。
河本 でもそれはなんとなく分かりますね。R-指定さんとだったらアルコールがなくてもエピソードトークになるし。でも、R-指定さんと知り合って、どうやってプライベートで遊ぶところまで仲良くなるんですか?
相田 何度かラジオのイベントで一緒になって、ある程度仲良くなったら、断られてもトークになるからいいかっていう気持ちも半分あって、バカなフリして聞いてみるの。「今度メシ行きましょうよ」って。でもそれで断る人はあんまりいないよ。
河本 そういう時っていつも相田さんから誘うんですか?
相田 そうだね。だって向こうからは誘いづらいじゃん。基本みんな「待ち」なんだよ。あとはR-指定とはラジオの作家さんが一緒だから、共通の話題もあるしね。
他にもm-floの☆Taku Takahashiさんとは、オールナイトニッポンのイベントとかで何回か一緒になって、花火大会でご一緒させてもらったりして、「三四郎さんのラジオ聞いてます」って言ってくださってたし、お笑いも好きだから共通の話題があったのね。だから「えーじゃあ今度行きましょうよ」「LINE交換してくださいよ」って言って。それでふたりで渋谷のバーで呑んだね。
河本 かっこいい~。相田さんって最初からタメ口で、親しみやすい、接しやすい感じなんですよ。
相田 いや最初は敬語だよ。
河本 どこで切り替えるんですか?
相田 どこだろうな、多分番組にゲストで出てもらったときに、タメ口の方がいいと思ったのかな。そっちのほうが接しやすいと思ったの。
河本 そのメンタルが自分にはないんだな。☆TakuさんもR-指定さんも天才じゃないですか。緊張しちゃいますもん。
相田 Creepy Nutsも今やビルボードチャート1位だけど、知り合った当時はまだそこまでじゃなかったし、俺がそこまで他業種の人の仕事には興味ないのかな。大悟さんやノブさんの方が余裕で緊張する。
河本 いやー千鳥さんも緊張するけど、同じだけどなあ。
――河本さんも日本一の漫才師じゃないですか。
相田 そうだよ。ツーのやつ(M-1でウエストランドの優勝が決まった時に河本が流した涙のマネ)ね。
河本 ツーのやつて! いや僕は本当に井口に付いて行っただけなんで。
相田 付いて行っただけであんな泣けるか? ツーって。
河本 それはもう「うわー! 億万長者なれるー!」っていう喜びで泣いたわけですから。そしたらやっぱり現実は甘くなかった(笑)。
相田 (笑)。
――でも日本一の漫才師なんだから誘い放題なんじゃないですか?
河本 いやいや、そんな。
相田 ボケのフリして聞いてみればいいよ。「チャンピオンだよ、メシ行こうよ」って(笑)。
河本 それただのヤバいヤツですよ! チャンピオン振りかざしてメシ誘ってくるなんて。
相田 断られても『ぶちラジ!』(ウエストランドのラジオ番組)に還元できればいいじゃん。
河本 相田さんを見習って他業種の方を誘ってみて、もし食事会にこぎつけたとしても、相田さんのようには立ち振る舞えないですよ。本当、誰に対しても僕に対してと同じようにしゃべるんです。
相田 特にそんなしゃべるわけでもないからね。
河本 場を回したりするわけでもないし本当に自然体で、だから向こうも居心地がいいんですよね。昔から知ってる友達とご飯に行ってるような感覚になっちゃう。
三四郎さんがすごいのは、相田さんはこういう人なのに、小宮さんは井口とともしげ(モグライダー)さんを引き連れてずっと高円寺で呑んでるだけで、やってることが両極端なんですよね。小宮さんを見てると、交友関係なんて広げなくていいんだとも思っちゃう。
相田 あー。でも小宮があんなだからこそ、俺は逆行かないと、とは思ってるかもしれない。例えばラジオでこの1週間で起きたことを話すわけじゃん。そういう時に、デカい仕事での出来事とかってたいてい小宮が最初に話すのよ。ラジオのトークはアイツが先行だから、俺は俺で何か話を用意してこないといけない。だから、ある時期から俺はプライベートの話をしようってなったのね。
河本 そうか。小宮さんは仕事と自分のテリトリーの話しかしないから。
相田 じゃあ俺は、スペシャルウィークでゲストに出てくれたあの人と呑みに行ってみようとか、そういう考えはあるかもしれないね。
河本 努力してる~~。ウエストランドで言ったら井口も小宮さんタイプなんで、僕が外に出るしかないですね。
相田 そうね。だって井口に誘われたらみんな怖いだろ。アイツは目が怖いから。
河本 今は先輩ですら井口のことを怖がってるみたいです(笑)。「プライベートでアイツと呑みに行くなんてありえない」って言われますもん。でも、相田さんがクルマとか大きな買い物するのも納得がいきました。半分はエピソードトークのためでもあるんですね。
相田 そうそう。まあもともとそういう買い物好きな人でもあるんだけどね。ラジオのせいでちょっと頭がおかしくなってると思うんだけど、欲しいものが手に入るし、買ったらひとつトークもできる。そうやって、ラジオに還元できればっていうことをいつも考えてるかも。それで例えばテレビでも小宮に「コイツ、クルマ買ったんですよ」って振ってもらえればなおいいし。
逆に小宮はプライベートのことを何もしゃべらないから、プライベートの部分がもう本当に分かんないんですよ。
河本 ウチもそうなんです。井口は家と仕事の往復だけでプライベートの時間なんてほぼないんでしょうけど。あとはずっとマイクラをやってるし。
相田 カルピスがぶがぶ飲んでな。アイツ毎日カルピスと甘いカフェオレ飲んでるでしょ?
河本 そうです。で、最近それを水に変えたら体重5キロ減ったって。
相田 めっちゃ怖いじゃん。ヤクルト1000みたいな感覚でルーティーンで毎日カルピス飲んでるんだから。怖すぎるよ。
河本 甘々のを毎日2本持ち歩いてましたよ。
――河本さんの人生相談になると一度は出てくる「井口は変わってる」話だ。
相田 小宮とそういうところは似てますね。
三四郎・相田の回答①「基本みんな『待ち』だから、バカなフリして誘ってみる! ダメでも話のネタになる!」
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■河本太(こうもとふとし)
タイタン所属。1984年1月25日生まれ。岡山県津山市出身。2008年に同級生の井口浩之とウエストランドを結成。M-1グランプリ2022チャンピオン。リフォーム会社に勤めていた経験から電気工事、配管工事が得意。趣味は登山、キャンプ。
■相田周二(あいだしゅうじ)
マセキ芸能社所属。1983年5月2日生まれ。東京都荒川区出身。中学校の同級生である小宮浩信と2005年に三四郎を結成。2013年、2014年には「THE MANZAI」認定漫才師50組に認定。2013年「漫才新人大賞」決勝進出。2023年には「THE SECOND〜漫才トーナメント〜」で決勝進出。2015年から続く『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』は高い人気を誇り、2024年には開始10周年を記念した日本武道館でのライブも行われた。
取材・文/酒井優考 撮影/山添 太
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