桑木志帆が国内メジャー初制覇! ツアーをけん引する“新エース”へ【2024年“この1シーン”】
白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。その今季全37試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。
■JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月21~24日、宮崎・宮崎カントリークラブ、優勝:桑木志帆)
最終日にスタート時点で3打のリードがあったものの、一時は首位を明け渡す苦しい展開。それでも、2021年6月にプロテスト合格後、9月にツアーデビューを果たした桑木志帆が、111試合目で国内メジャー初制覇を達成した。初日から首位を守り切る完全優勝という偉業だった。
「まだ実感はないけど、すごくうれしい。最高です」
序盤は苦しい展開だった。1番でボギーを叩き、3番でもパーオンを逃してスコアを落とす。「緊張はしなかったけど、思い通りのゴルフができなかった」と振り返るように、重い空気が漂った。
流れが変わったのは7番パー4のティショットだった。左ドッグレッグの難ホールで、ドライバーを振り抜いたショットがフェアウェイセンターに着弾。「わかった!」とキャディに笑顔を向けながら語りかける場面も見られた。「朝の練習では手ごたえが良くなかったけど、7番のティショットで気づきがありました。そこから自信を持ってプレーできました」と語る桑木。この一打が勝利への転機となった。
その後、6番からの3連続バーディで単独首位を奪還。終盤には2組前でプレーしていた小祝さくらとの一騎打ちを制し、通算3勝目のゴールに飛び込んだ。強敵との戦いにも、桑木は冷静さを失わなかった。
最終組でともに回った竹田麗央は来季から米ツアーが主戦場となる。さらに、山下美夢有や岩井姉妹も最終予選会を突破。原英莉花も来年からは米国下部ツアーに挑戦する。来季は“主役”たちがツアーからごっそりと抜けることになるが、桑木は優勝会見で力強く語った。「今季は3勝できたし、来年は自分がツアーを引っ張っていきたい。調子が悪い中でもトップ10に入れた経験が、悪い時でも優勝を信じられる力になりました」と新たなエースとしての自覚をのぞかせた。
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。