”ここでは幸せになれない”と感じた韓国人女性 新しい人生を始める 「ケナは韓国が嫌いで」公開決定
第45回青龍映画賞で主演女優賞と新人男優賞にノミネートされた映画「ケナは韓国が嫌いで」が、2025年3月7日より劇場公開されることが決まった。
「ケナは韓国が嫌いで」は、現代の韓国社会を舞台に、生まれ育った場所で生きづらさを感じる女性が人生を模索する姿を描いた作品。ソウル郊外で両親と妹とともに暮らす28歳のケナ。大学を卒業後、金融会社に就職し、片道2時間かけて通勤している。学生時代からの恋人ジミョンは、「自分が就職したら支える」と言うが、そんなジミョンにケナはいら立ちを隠せない。だが、ケナの母は、裕福な家庭で育ったジミョンとの結婚を待ち望んでいた。ここでは幸せになれないと思ったケナは、ニュージーランドへの移住を決意する。
原作は、2015年に刊行されてベストセラーとなったチャン・ガンミョンの小説「韓国が嫌いで」。「第2のホン・サンス」や「韓国の是枝裕和」と称される、「ひと夏のファンタジア」のチャン・ゴンジェが監督を務めている。2015年に原作を読んだ監督自らが映画化を熱望し、9年の歳月をかけて完成させた。主人公のケナを演じるのは、ポン・ジュノ監督「グエムル-漢江の怪物-」に中学生の娘役で出演したコ・アソン。人生に葛藤する女性を等身大で体現する。ほかに、主人公ケナと同じ時期にニュージーランドに留学し、かけがえのない友人となるジェイン役を、チュ・ジョンヒョクが演じる。
コ・アソンらのコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】
■コ・アソン
「自分が生まれた国であっても、嫌いになることだってある」
韓国の人だけでなく、誰もが共感できることを願ってケナを演じました。
穏やかな人生を手放して、見知らぬ土地で自分の道を切り開く人物を観ていただけたらと思います。
■チュ・ジョンヒョク
ニュージーランドでのワーキングホリデーを通じて自身のアイデンティティと向き合うジェインの姿は、実際にニュージーランドに留学していた過去の自分と重なり、私自身の経験をキャラクターに反映させました。あの頃見た風景、出会った人々、そして当時抱いていた感情を再び思い出しました。ケナの物語では、家族との関係や外国で暮らすことの孤独感といったテーマも描かれますが、そこに深く共感する自分にもいました。この映画は、私個人にとっても、過去の大切な思い出と再会させてくれた特別な作品です。
■チャン・ゴンジェ監督
この映画は、私が2015年11月に原作小説を読んですぐに映画化しようと決めた物語です。韓国で暮らすということはどういう意味を持つでしょうか。20代後半の未婚女性である“ケナ”は、自分を取り巻く環境を変え、韓国とは距離を置きつつ韓国での生き方を考えます。ケナの周りの人たちは彼女を理解できません。ですが、ケナは敢えて冒険の旅に出ます。そして、移動して、自ら動くことによって新しい人々と出会います。この映画は、その過程で出会う人々、彼らと過ごした時間を経て、少しずつ変化していくケナに焦点を当てています。最後にケナはどんな決断を下すことになるのでしょうか。観客の皆さんも、ケナと一緒に旅に出ていただければと思います。
【作品情報】
ケナは韓国が嫌いで
2025年3月7日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
配給:アニモプロデュース
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記事提供元:映画スクエア
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