「STEM女子奨学助成金」で初のリケジョ大学生誕生 山田進太郎D&I財団が助成
山田進太郎D&I財団(東京都港区)はこのほど、理系の大学進学を目指す高校1~2年の女子生徒に返済不要の10万円を給付する同財団の「STEM(理系)女子奨学助成金」受給奨学生の中から、理系分野を学ぶ大学生が初めて誕生した、と発表した。
財団の2023年の活動成果をまとめた「アニュアルレポート2023」=写真=の中で明らかにした。レポートの中で、奨学助成金を活用し、お茶の水女子大理学部生物学科への進学を決めた奨学生は「奨学金は予備校の数学特別講座に全額充て、浮いたお金で研究に熱中し、多くの賞の受賞や大学進学につなげることができました」と感謝の気持ちを述べている。
理系女子奨学助成金制度は2021年から実施。23年度は約550人への給付を決めた。累計奨学生は約1200人に上る。
メルカリ創業者で21年に財団を設立した山田進太郎・代表理事はレポートの中のあいさつで「女子学生の割合が少ない理工系分野の大学・学部で女子学生入試枠を設置する学校が40以上に増えるなど、社会で理工系女子問題への注目度が高まった年」と23年度を振り返った。
その上で「(24年6月に)中高生女子が理系分野の大学のキャンパスや企業のオフィスに出向き、実際に研究をしている学生や働いている社会人の話を聞ける『Girls Meet STEM事業』を開始した。今後も“好きなことをやろう”のスローガンの下、当財団ならではの発想力や機動力を生かして、さらに社会にインパクトを出せるように活動していく」と新たな決意を述べている。
財団によると、今年6月に立ち上げた新規事業「Girls Meet STEM」は、24大学と16の企業・研究機関と連携し、大学・企業の現場を直接体験する機会を多くの女子中高生に提供。この事業の参画大学・企業・研究機関数は11月時点で57となり、参加者数は千人を超えたという。
「アニュアルレポート2023」の詳細は山田進太郎D&I財団ホームページ。
記事提供元:オーヴォ(OvO)
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