42歳のS・ノリス “亡き父”に捧ぐ日本ツアー通算7勝目「我慢強く育ててくれてありがとう」
<ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日◇30日◇東京よみうりCC(東京都)◇7002ヤード・パー70>
「本当に長く苦しい時期だった。キャディをしてくれている弟、そして母国で待ってくれている家族、みんなのサポートがあってここで勝てた」。表彰式のインタビューで多くの日本ギャラリーを前に溢れでる涙で言葉を詰まらせながらも話したのは、2021年の「日本オープン」以来3年ぶりに優勝となったショーン・ノリス(南アフリカ)だった。
ノリスは、17年の「日本ゴルフツアー選手権」でも勝っていて、今回で日本タイトル3冠を達成。どの会場も難セッティングのコースだが、「タフなコースが好きだというのもあるし、粘り強さが自分の持ち味なので、そういうところが功奏している、合っているのかなと思う」と自身の強みが生かされることが要因の一つ。今大会の東京よみうりCC(東京都)もアンジュレーションが効き、下りのラインはとくに速く難しい。
そんな難セッティングのなかでプレッシャーに負けず「何より自分のゲームプランに徹してやろうと思っていた。(最終日の)目標スコアに関しては60台を目指して出せたら、このようなゲーム展開になると思っていた」と最終日ももちろん、4日間すべて60台をマークした。
今大会での優勝はノリスにとって亡き父へ向けた特別なことだった。「あさって(12月3日)は(5年前に)亡くなった父親の誕生日だった。彼が見守ってくれて、誇らしく思っていると思う。今年はタフな一年だったけど、最後に特別な試合で優勝できてうれしい」と、ゴルフを始めるキッカケを与えてくれた父親への恩返しとなる勝利。「我慢強くなれるように育ててくれてありがとう」。この言葉を天国にいる父に捧ぐ。
日本で栄冠を掴んだのは3年ぶり。「ここ3年はヨーロッパツアーやLIVにも参加していた。やはり日本は自分にとって特別で人や文化、食事、和食はすごく好きだし、日本は自分にとってスペシャルな場所だと思っている」。ノリスは日本の報道陣に対していつも笑顔で挨拶を返し、日本人選手からも人気者だ。そんなナイスガイは、大好きな日本で挙げたツアー通算7勝目に大いに喜んだ。
今大会の優勝で賞金ランキングは13位から3位に浮上。これまでの同ランキングでは18、19年の2位が最上位となっている。「日本ツアーで戦って賞金王を目指したい」とこれからも日本で戦い続けていくことを表明した42歳はまだまだこれからも挑戦を続ける。(文・高木彩音)
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