女子プロゴルファーたちが来季出場権を争う『QT』 そもそもこれってどんな制度??
<JLPGA ファイナルQT 2日目◇27日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6454ヤード・パー72>
来季のシード権を持たない選手が、出場権を争うファイナルQTが26日から行われている。期間は29日までの4日間で、第1ステージ突破者や、昨季のシード選手ら104人が参加中。その動向に注目が集まるが、そもそも来季の選手生活に大きな影響を及ぼすこの『QT』という制度って何?
■プロトーナメントの出場選手はどうやって決まってる?
クォリファイングトーナメント(Qualifying Tournament)の頭文字を取りQTと呼ばれるこの制度は、いわゆる『予選会』を意味する。国内女子ツアーでは2002年からこの名称で行われ、毎年寒さも厳しくなる年末に選手たちが翌年の“優先出場権”を争ってきた。ここでよりいい順位になることが、来季に大きな影響を及ぼすのだが、それはなぜか?
レギュラーツアーは現在メルセデス・ランキング(以下MR)で50位以内に入るとシード選手として来年1年間のフル出場権が確定する。同じく51~55位までの選手には、来年の第1回リランキング(前半戦)までの出場権を付与。QTには、そこに入れなかった選手が参加する。
国内女子ゴルフのプロトーナメントは、大会によって96~144人の出場枠が設けられている。そのうちシード選手は、「日本女子オープン」など一部の試合を除き、枠が確保されている(永久、複数年シードも同様)。MR55位までの選手についても、前半戦に関してはシード選手同様となる。これにプラスして、大会ごとに主催者推薦枠があり、さらに残った枠をQTランクの上位者から割り当てていくシステムだ。
■QTランク上位が重要になる理由
そして今回の最終順位に応じて、1位通過者にはQT1位、2位にはQT2位というように『QTランキング』が与えられる。4日間72ホールのストローク方式で、同じスコアで並んだ場合は(1)最終Rのスコア、(2)第3Rのスコア、(3)第2Rのスコア、(4)最終Rの18ホールからのカウントバック――の順番でランクが決定する。“●位タイ”という概念はなく、すべての選手にランクがつけられる。
出場枠は初戦の「ダイキンオーキッドレディス」など108人のものや、120人が出られる「ワールドレディス サロンパスカップ」など大会によって、まちまち。そうなると当然“空き枠”の数も変わってくるため、QTでなるべく上位にいることが重要になってくる。
今回エントリーしている選手は、最低でもQTランク104位が確定。棄権した場合でも、ファイナルを終えた選手の後ろにランクづけされる。今年を例に、37位以内を目安にすると、来季前半戦にフル出場できる見込み。それ以下でも、例年、下部のステップ・アップ・ツアーは104位以内であれば全試合に出場できている。つまり今回の104人は来季、“職場を失う”という事態は免れる。
ちなみにファーストステージで敗退した選手にもQTランクは割り当てられており、今回のファイナルステージまで進めなくても、順位に応じ出場権はおりてくる。ただ170位以下になるとステップ出場もままならない…そんな厳しい状況が待ち受けることになる。
(文・間宮輝憲)
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