1オンよりもフェアウェイ 河本力が「頑張らない」“3割力”で首位発進
<カシオワールドオープン 初日◇21日◇Kochi黒潮カントリークラブ (高知県)◇7350ヤード・パー72>
「気づいたら」9バーディ・1ボギーの「64」をマーク。河本力が単独首位発進を決めた。
1つのボギーはあったものの、バーディを量産。「いい状態でゴルフができている」と納得の一日となった。2週前の「三井住友VISA太平洋マスターズ」は2位タイで終えており状態は上向き。特に「ショットもありますが、パッティングがずっと好調」と、今のゴルフに手ごたえを感じている。
愛媛県出身の河本にとって、高知は準地元。家からKochi黒潮CCまでは車で2時間ほどの距離だ。「小学生の時もここで試合があったり、数多く回っている」と馴染みのあるコースで、初めて男子ツアーの試合を見に来たのもここ。ただ、その記憶はぼんやりとしている。優勝者も覚えていないが「キョンテさんがいたのは覚えています」と、なぜか“鬼”の異名を持つキム・キョンテ(韓国)の存在は印象に残っているという。
そんな河本が掲げる今週のテーマは「頑張らないこと」。現在、ドライビングディスタンス1位(319.77ヤード)だが、1オンも狙える1番パー4は「3割くらい」の力感で振った。「本当に頑張らないように振っている。アイアンもビトゥイーン(番手間)の距離で迷ったら頑張らずに大きい番手で打っている」。持ち味の飛距離を生かせるホールはいくつもあるが、そこはグッと堪えてまずはフェアウェイキープを最優先。予選ラウンドまでは「頑張らないことを心がけて」戦うと話した。
現在、賞金ランキングは23位(3492万3056円)で、このまま行けばエリートフィールドとなる最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に出場できる見込み。そこでは姉・結がキャディとしてバッグを担ぐ約束となっている。「『JTは私が勝たせる』って気合がはいっている」と、弟より姉の方が鼻息が荒いと笑顔で話す。最終戦出場を手中に収める現状に「なんとか出られる位置まで来たので、今週は勝って決めたい」と姉のためにも腕をまくる。
「気づいたら8アンダー」、この感覚が河本にとっては大事。ラウンド後も疲れが無く気持ち的にも「余裕を持ってやれている」。2日目以降も“気づいたら”好スコアという結果になるように、「頑張らない」ゴルフを続けていく。(文・齊藤啓介)
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