鈴木愛の14本が面白過ぎた! なぜ1Wのロフト10.5度を9度に変えて使うのか? なぜ7Wを5Wの長さで使うのか?
今季2勝を挙げ、メルセデス・ランキング11位で最終戦に出場する鈴木愛。彼女のセッティングを撮影すると、面白いギアを発見。その詳細をレポートしたい。
ドライバーは『G430 LST』を使用している。ロフト10.5度のヘッドを立たせて、わざわざロフト9度に調整して使っているが、なぜだろうか?
「『G430 LST』は、弾道がけっこう上がるけど風に負けないので気に入っていますね。(10.5度をロフトを立たせて9度で使っているが?)同じ9度でも、10.5度を9度にするのと9度をそのまま使うのとでは、自分の見え方が気持ち悪いとかもある。9度だとフェースが閉じて見えるので、10.5度を9度に立たせることでフェースが閉じて見えないんです」
フェアウェイウッドやユーティリティでは高MOIヘッドの『G430』シリーズを気に入って使用。「基本的にウッド系は『G430』が今までのなかで一番気に入っていて、飛距離も出るけど高さも出て、スピン量もすごくいいんです」。
ただ、7番ウッドだけ前作の『G425 MAX』を使っているのは不思議だ。
「『G430 MAX』は、飛距離がちょっと出すぎか、ちょうどいい距離感にならない。『G430 MAX』は自分のイメージより弾道が上がりすぎました。『G425 MAX』が一番いい高さで飛んで、距離感が合っているんです。200ヤードぐらい飛びます」
この7番ウッドの驚くべき点はまだある。ロフトを20.5度から19度に立たせ、さらに通常は42インチの長さである7番ウッドを42.5インチに伸ばし、5番ウッドと同じ長さに調整して使用している。よりやさしく打てる7番を5番として使っている点も面白い工夫だろう。
シャフトで面白いのが、ティアップするドライバーは『ALTA J CB スレート S』なのに対し、芝の上から打つ3番ウッドと7番ウッドには『ALTA CB ブラック 65R』、アイアンは『N.S.PRO 950GH neo R』を使っている点だ。すべてフレックスはRにしている。
「一発勝負だとフレックスSとかSRとかでいいんでしょうけど、年間通してゴルフをやるにはそこまでしんどいのはいらないかなと。(芝から打つ番手では)フレックスRを使っています。クラブをしならせて仕事させるために、Rを使います」。
つまり、芝の上から打つクラブは、しなり戻りやすいフレックスRでボールを上がりやすくしているのだ。
パターは幅広ブレードのセンターシャフト、『PLD KUSHIN C プロトタイプ』を使用。鈴木仕様のオーダーメイドモデルだという。アマチュアにとってはうらやましい限りだ。
「完全に私のオーダーで作ってもらっていて、今年の開幕から使っていました。シーズン途中は何回か変えています。調子悪くなったときにアンサー(ブレード型)だと、ショートパットでの不安とか、ストロークがいつも同じ感じでできそうにはない。幅広ブレードだとそれができるんです。幅広ブレード型でセンターシャフトが良かったんですけど、それがなかったので作ってもらいました」
これだけこだわり抜いたセッティングがあるからこそ、鈴木はツアーで通算20勝できたのだろう。
【鈴木愛のクラブセッティング】
1W:ピン G430 LST(9度/ALTA J CB スレート S、45.5インチ、D0)
3W:ピン G430 LST(15度/ALTA CB ブラック 65R、43インチ、D0)
7W: ピン G425 MAX(19度/ALTA CB レッド 65R、42.5インチ、D0)
4・5U:ピン G430(23・27度/TOUR 2.0 クローム 85R、D0)
6I~PW:ピン BLUE PRINT S(N.S.PRO 950GH neo R、36.75インチ【#7】、D0)
50度:ピン s159(CFS R、35.5インチ、D1)
54度:ピン s159(CFS R、35.2インチ、D1)
58度:ピン s159(CFS R、35インチ、D2)
PT:ピン PLD KUSHIN C プロトタイプ
BALL:タイトリスト プロV1x
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