弟・力とJTでの5年ぶり¨きょうだいタッグ¨がモチベーション 地元・愛媛で河本結が首位発進
<大王製紙エリエールレディス 初日◇14日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
愛媛・松山市出身の河本結が7バーディ・1ボギーの「65」で回り、5月の「ブリヂストンレディス」以来、今季2度目の首位で飛び出した。
インから出ると、15番からの3連続バーディで勢いに乗った。最後は8番で9メートルを沈めると、パー5の9番は3打目をピンそば2メートルにつけての連続バーディ締め。地元での最高のスタートに「最近はショットもパットも細かいところのズレが気になっていたけど、火曜日に修正したのが生きた。きょうはいいラインのパッティングを決めることができた」と表情を緩ませた。
長いシーズンも残り2試合だが、河本にとっては大事な試合が続く。今週は地元開催で、来週の最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」は所属先が冠スポンサーの国内メジャー。長丁場の戦いによる疲労の蓄積もあって、この大会は7年連続7度目の出場だが、過去最高は2019年の17位。なかなか力を出せない原因は「体」よりも「心」の疲労に行き着いた。
「今まではあまりいい状態でここに来ることができなかった。脳が疲れているんだと思う。脳を休ませるためには、まず睡眠時間の確保。練習時間も短くする。あまり考えないようにもしました」
実家はコースから車で30分ほどの松山市内。松山聖陵高時代はキャディのアルバイトをするなど、コースは知り尽くしている。「愛媛のために頑張りたい。この大会で優勝が一番の恩返しだと思っている」。ツアー通算2勝、黄金世代の26歳の思いは一つだ。
ただでさえ気合が入る大会だが、今年はさらにモチベーションを上げる“仕事”が2週間後に待っている。「弟のキャディをやるんです」。男子ツアーの今季最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(11月28日~12月1日、東京よみうりカントリークラブ)に弟の力が出場すれば、人生初のキャディに挑戦するという。JTカップは今季優勝者、賞金ランキング上位者ら30人しか出場できないが、力は現在賞金ランキング22位で出場圏内をキープ。「多分、大丈夫ですよね。すごく楽しみ。『JTに出られたら私がキャディをやるから』と言っていたんです。今からワクワクしています」と声を弾ませた。
今季は8月の「NEC軽井沢72」で5年ぶりの優勝。鮮やかに復活を果たしたシーズンを地元Vで締めくくり、ホステス大会を経て、弟と合流する。「勝つことだけをイメージしている。それができるように準備したい。反省するところは反省して、休んでという感じです」。頭に描く最高のシナリオを形にするための4日間。まずはそれを現実のものにするためのスタートは切れた。(文・臼杵孝志)
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