米ツアーの選手も含め「270.25ヤード」の飛距離は堂々一位 竹田麗央はなぜそんなに飛ぶのか?【優勝者のスイング】
文句なしの勝利だった。来季から米ツアー参戦を目指す竹田麗央にとって、狙っていた日米共催大会。6ホールに及んだプレーオフも、18番と13番、パー5の繰り返しで持ち前の飛距離のアドバンテージが生き、最後はバーディを奪取。今季8勝目は、来年1月からの米ツアー参戦での活躍を期待させるものとなった。
勝負が決した18番では、ドライバーでのティショットがフェアウェイど真ん中をとらえ、対するマリナ・アレックスに約40ヤードの差を付けた。アレックスも3打目を寄せバーディチャンスに付けたが、プレーオフがパー5の繰り返しだったのは飛距離の出る竹田に追い風になったことだろう。プロコーチの南秀樹も「パー5ならボギーが出にくいので、やりやすさがあったのではないか」と分析する。
今季の竹田のドライビングディスタンスは、「262.54ヤード」で1位。今大会も、予選ラウンドを終えた時点でのドライビングディスタンスは、「270.25ヤード」と米ツアーの選手が多く出場した中でも1位をマークしている。
そのスイングは、高いトップから、下半身を使ってクラブを引っ張り下ろし、フィニッシュではしっかりと体をターンさせている。全身を使ったスイングで、どれもが飛ばしにつながる要素だろうが、「上半身と下半身の時間差を作るのはアマチュアにも参考になり、飛距離に直結する」と、南が飛距離アップのポイントを教えてくれた。
具体的には体とクラブの動かす順番を覚えたい。竹田ように、切り返しでは下半身が動いてから上半身が戻り始め、最後にクラブを動くのが理想となる。そのためには、とにかく上半身の力を抜き、下半身に意識を持たせることが大切だ。この感覚をつかむには、シャフトのやわらかい練習器具やレディスクラブなどで練習するのが効果的。
「切り返しで足を踏み込み、シャフトをしならせること。トップでクラブを置き去りにして、下半身を動かす感覚を身に付けたいんです。切り返しで上と下の時間差ができ、シャフトがしなれば、あとは体を回していくだけです」。シャフトが硬いクラブでは、しなりが感じにくく、腕に頼ったスイングになり、下半身の動きが疎かになってしまう。
これまで上半身に力が入っていた人なら、「こんなに力を抜いていいものか!?」と、不安になるくらい力を抜いてみてほしい。その上で、しっかりと脚を動かすこと。「下半身でボールを打つ、これができればショット力が大きく上向きます」。
シャフトがやわらかくても、しっかりとボールをつかまえることが、良い動きができたかどうかのバロメーターになる。「ボールが右に飛ぶなら、まだまだ腕や手先でクラブを振っています。反対に引っかけが出るようなら体が止まっていることが考えられます。脚を動かし、上半身、そしてクラブを戻し、最後は左足1本でフィニッシュを取ること。インパクトの効率が上がり、飛距離アップが果たせるでしょう」。
この冬、体を動かす順番を意識した練習に徹底的に取り組めば、春には別人のような大きな飛距離を手にすることができるだろう。
■南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属。
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