約6割が実感する『学歴フィルター』の影響、特に50代で際立つ学歴と年収の明確な相関関係【すべらない転職調べ】
SNSなどでたびたび話題に挙がる「学歴フィルター」。学歴フィルターとは新卒採用の初期段階において、大学の偏差値などに基づいて選考を行うことを指す。「学歴よりも人柄重視」という企業も多く存在しており、学歴フィルターは都市伝説とも言われているが、果たして実態はどうなのだろうか。また、学歴はその後の収入にどう影響するのだろうか。
学歴フィルターの影響を感じているのは約6割
アクシス株式会社が運営するキャリアノウハウメディア「すべらない転職」が、日本国内の就業経験がある20代から60代の男女300人を対象に、調査を実施した。その結果を見ると、学歴が就職や昇進、そして長期的なキャリアに影響を及ぼすことが判明している。
まず、就職時の学歴の影響については「非常に影響があった」「ある程度影響があった」と回答した人は全体の63%と、約6割が「学歴が就活に影響した」と感じていた。
さらに、業界における学歴フィルターの存在について65%の回答者が、自身の業界で採用時に学歴フィルターが大なり小なり「存在している」と感じている。今もなお、多くの業界で学歴が重視されているようだ。「とはいえ、本人のスキルと意欲次第で、低学歴でも収入を上回ることは可能だろう」と思いきや、どうやらそうではないらしい。
50代になると600万以上の高収入層はほぼ国公立出身者
調査結果を見ると、学歴と年収の間に明確な相関関係があることが分かる。特に30代以降、その差が顕著になっている。50代にいたっては、国公立大学出身者には600万円以上の高収入層が一定数いるのに対し、MARCHや関関同立、日東駒専、その他私立大学、専門学校、高校出身者は300万円未満や400万円台に集中している。
現在の就職活動の主流となっている「自由応募」が一般化したのが1968年のため、50代はその前後で就職した年齢層と言える。そのため、まだまだ学歴での判断が根強い時期だったのだろう。給与水準の高い大手企業は応募者も多いため、候補者の数を絞る、一定の学力基準を確保するために学歴フィルターが存在していることが伺える。
他の年齢層を見てみると、20代は国公立大学やMARCH出身者は最低でも400万円の年収帯に分布しているが、その他私立大学、専門学校、高校出身者では300万円未満の年収も目立つ。30代では、国公立大学や早慶上智出身者には600万円以上の年収層が一定数いるものの、その他の出身者では300万円未満や300万円台に集中。40代になると、国公立大学や早慶上智出身者には700万円以上の高収入層が多く、特に早慶上智は800万円以上に集中している一方で、その他の出身者は300万円未満の低収入層が目立っている。
もっとも、学歴がすべてを決定するわけではなく、企業が個人の能力や経験、適性など学歴以外の要素をより重視する傾向が強まる可能性もある。また、リカレント教育やリスキリングが推進されることで、学歴の影響力が徐々に低下していく可能性も考えられる。企業側も、多様な人材を確保するために、学歴フィルターの使用を見直し、より包括的な採用基準を設けることが求められるかもしれない。
出典元:【すべらない転職】
記事提供元:OTONA LIFE | オトナライフ
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