僧が身に着けている袈裟はゴミ捨て場や墓場から拾った布で作られていた理由とは!?【眠れなくなるほど面白い仏教】
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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もとはゴミ捨て場の布だった
欲望を絶つことは、仏教の基本的な教えの1つです。欲望は満たされなければ不満という苦痛を生みますし、満たされてもより大きな満足へと駆り立てて苦しめます。この無限に連鎖する苦しみから逃れるためには欲望そのものを絶たねばなりません。それゆえ仏教の修行者は、身の回りから欲望の対象となるものを可能な限り取り除くことが必要とされました。たとえば、髪型を気にしたりしないように髪の毛も剃ってしまうのです。
もちろん、ファッションを楽しむことなど許されません。持つことが許されたのは3枚の衣〈*〉だけでした。それも普通の衣ではありません。 糞掃衣といってゴミ捨て場や墓場から拾ってきた布片を縫い合わせたものでなければならなかったのです。これが袈裟の原形です。なお、「袈裟」という言葉は、赤褐色を意味するサンスクリット語「カーシャーヤ」の音写です。せっかくボロ布を使っても、華美な色に染めてしまったら意味がありませんので、赤褐色のようなくすんだ色にすべきと定められていたのです。
インドではこうして作った長い布を体に巻きつけて着用していた(如来像の衣の着方がこれに近い)のですが、中国や日本では1 枚の衣で生活するのは無理ですので、袈裟は着物の上に着用する聖なる衣という位置づけになりました。素材もボロ布ではなく錦や金襴などの高級品となり、その色やデザインで僧の位を示すものとなりました。しかし、小さな布片を縫い合わせて作るという点だけは今も受け継がれています。その縫い目が田の畦のようなので福田衣ともいいます。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 仏教』 監修:渋谷申博
記事提供元:ラブすぽ
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