渋野日向子が自分に拍手のショットインイーグル プロテスト合格の“妹分”吉田鈴にも拍手
<TOTOジャパンクラシック 2日目◇1日◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
見せ場は心得ている。インから出て、パーを重ねて迎えたパー5の18番。小雨が降り始めるなか、渋野がショットでイーグルを奪った。スタンドのギャラリーは大喜び。大勢の観客が見守る最終ホールで、みんなを笑顔にする会心の一打。やっぱり、シブコは持っている。
「きょうはあれだけでしたね。でも、めちゃうれしかった。耐えてというか、(パットが)入らずの前半だったので、キャディさんと『どこかで入ってくれたらいいな』と話していたら3打目が入ってくれた。ラッキーでした。見えなかったけど、ギャラリーさんの歓声で分かりました」
ピンまで残り80ヤード。ピンの奥に落とし、バックスピンと傾斜でカップに寄せる―。58度のウエッジで放った3打目はイメージ通りだった。「ちょっとターフを取りすぎたかなと思ったけど、いい方向に打てました。あとは届けって感じで…」。カップインを知らせる歓声に一瞬きょとん、そしてバンザイだ。同組の選手、キャディとハイタッチをかわし、最後は自分に拍手。全身で喜びを表した。
イーグルは今季日本ツアー初出場だった8月の「北海道meijiカップ」初日以来。そのときも最終ホールとなった18番パー5だった。しかも5ボギー、バーディなしで迎えた場面。グリーン右ラフからの3打目は、この日と同じようにカップに吸い込まれるように消えた。米ツアーでのイーグルは今季4個目。7月の「アムンディ・エビアン選手権」3日目の9番パー5以来。6月の「ダウ選手権」2日目のイーグルは米ツアー2度目のホールインワンで達成した。
後半は1バーディ・2ボギーで「71」のトータル1アンダー。「後半はブレにブレまくっていましたね。パットもずっと打ち切れない。アドレナリンは出まくっているのに、ショートする。ラインを読みすぎて、慎重になりすぎていた。昨日と同様に空回り感がありました」と反省点が残る。
3週前の韓国での「BMW女子選手権」を開幕前日に体調不良で欠場を期メア。3試合ぶりの復帰戦。「体調はもう大丈夫。すごくいい気分でゴルフができています。食欲もあるし、がんがん食っています。みなさんが思っている以上に食っとる」。前日は21.4%(3/14)だったフェアウェイキープ率も、前半はセミラフだった11番など2つ外しただけ。グリーン上のパフォーマンスに不満は残るが、調子そのものは決して悪くない。
この日はマネジメント会社が同じ吉田優利との縁で何かと気にかけている存在だった妹・鈴が4度目の挑戦でプロテストに合格した。「初日に出遅れていたけど、通ったんですね! あそこから合格するなんてすごい。マジっすか! めちゃくちゃうれしい。鈴ちゃん、おめでとう」。自身は18年に2度目の受験で合格。プロテストの独特の雰囲気は骨身に染みてわかっている。「人生が懸かっている。自分もすごく緊張したけど、そのときの全力を発揮できたから合格できたと思う」。
残り2日。雨予報の3日目には「やりたくないなぁ」と肩をすくめたが、気合は入っている。「みんな難しいと思うので、できるだけバーディを取って、上に行くだけです」。プロ7年目のシーズンも最終盤。プロテストに合格したころのように全力を発揮して、58位からはい上がっていく。(文・臼杵孝志)
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