呪術を取り入れた!密教が登場した理由とは?【眠れなくなるほど面白い仏教】
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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インドにシティボーイがいなくなったから
釈迦の開教、部派仏教、大乗仏教と展開してきたインド仏教ですが、その最後を飾ったのが密教でした。密教とは秘密仏教の略です。何が「秘密」かといいますと、教えが非常に難解であるため衆生には読み解けないので秘密になってしまう意味と、学識や修練を積まない者が読むと誤解を招く内容を含んでいるので無資格者には開示しないで秘密にするという、2つの意味があります。このような密教が出現した背景には、インド社会の変化がありました。
5世紀以降、グプタ朝〈*〉が衰退に向かい、それに伴って経済活動が停滞して都市が疲弊していきました。先に述べたように、仏教教団は都市の富裕な知識人階層、言うなればシティボーイをパトロンとしていましたので、都市の衰亡は教団の衰亡に直結しました。一方、仏教とは対照的に農村に基盤をおいていたヒンドゥー教は、この時期に勢力を拡大していきました。シティーボーイがいなくなったインドで生き残るため、仏教はヒンドゥー教に対抗して農村への進出をはかりました。そのために生み出されたのが密教です。
密教の特徴は教理・儀礼に呪術的要素を取り入れたことです。それまでの仏教は呪術に否定的でしたが、庶民に人気がある呪術を取り入れるため、呪術を仏教教理で再解釈したのです。さらにヒンドゥー教の神より強い仏を説きました。たとえば、降三世明王はヒンドゥー教の最高神シヴァ神とその妃を足下に踏みつけていますし、大威徳明王はヤマ神を降すとされています。
記事提供元:ラブすぽ
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